3.1.3 バイオレメディエーション技術の選定と評価の手順
(1)バイオレメディエーション請負業者の選定手順
米国では数千のバイオレメディエーション・プロジェクトが実施されてきたが、これらは大規模から小規模まで公共と民間の両方で行われ、ほとんどは嫌気条件下の燃料(炭化水素)の生物分解を含む。その結果、バイオレメディエーションの業務を行っている米国企業は何十社とある。また、技術のタイプも多種多様である。このように、米国内においては、十分発展した業界により、バイオレメディエーション業務を求める組織のために多数の選択肢が提供されている。
余りにも簡略化していることを承知の上で、バイオレメディエーションなどの改善活動を実施するため企業を選定し採用する際はふつう、主に3つのステップを踏む。これらのステップは、?@プロジェクトの目的および目標を識別する。?A業務の摘要範囲を定義し、費用プロポーザルを要請する。さらに?B費用プロポーザルを審査し、作業を実施する企業を選定することである。緊急事態が発生した場合は、防材(ブーム)などの予防措置および機械的回収対応策が最初の対応となる。したがって、これらの業務タイプの契約は流出に先んじて結ばれなければならない。契約上、バイオレメディエーションは一般に、予防措置ではなく長期間に及ぶ改善策である。従って通常は、流出が発生した後で速やかに選定手順に取りかかることを前提とし、時間をかけてより尺度の大きい請負業者選定手順を取るべきである。
バイオレメディエーション請負業者の選定手順は、優れたプロジェクト・マネージャを選任することから始まる。優れたプロジェクト・マネージャはプロジェクト成功の要である。このプロジェクト・マネージャは、依頼主、バイオレメディエーション提供企業と規制機関間の連絡役を務める。プロジェクト・マネージャの責任は依頼主のニーズヘの対応が確実に推進されるように図ることである。バイオレメディエーションの複雑さの故に、選定された企業は様々な分野の専門知識があることが望ましい。ほとんどのバイオレメディエーション・プロジェクトの場合、プロジェクト・チームには水文地質学、生物学、地球化学、およびエンジエアリングの専門技術者を含める。さらに、対策の設計および構造の管理の経験を積んでいることも望まれる。