くなる周波数をトランジッション周波数と呼び、fTで表す。規格表にはこの値が表示されている。
(4)h定数
図4・22のように、トランジスタの各接地回路を中味不明の四端子回路網(“トランジスタの黒い箱(ブラックボックス)”と呼ばれる。)とみなし、2個の入力端子と2個の出力端子によって低周波の電流や電圧の測定を行い、その等価定数を決めようとするものである。
いま、入力電圧、入力電流をv1、i1、出力電圧、出力電流をv2、i2とすると、h定数は次のように表される。
これらの定数は接地方式によって異なるので、それぞれの回路によってサフィックスを付ける。例えばエミッタ接地回路の入カインピーダンスはhie、ベース接地回路のときはhib、コレクタ接地回路の場合はhicのように表す。
なお、h定数は低周波信号に対するもので、高周波信号に対してはy定数と呼ばれているものがある。
(5)静特性
トランジスタの各接地方式において、入力、出力の電圧・電流の直流的な関係を示したものを静特性と呼んでいる。図4・23に規格表によく用いられるエミッタ接地回路の静特性の一例を示す。図(I)はベース電流IBをパラメータとし、コレクタ・エミッタ間の電圧VCEとコレクタ電流ICの間の関