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4. 魚類

大阪湾は、豊かな生物資源を育んでいる海であり、多数種の魚介類が生息している。

また、漁業生物は魚類149種、甲殻類21種、軟体動物42種など総計228種にのぼる。

 

マイワシ : 冬に紀伊水道南部で生まれたシラスが、春に大阪湾内に入り、水温の高い夏〜秋にかけて成長する。

塩分の薄いところでも生息でき、大阪湾奥部や大阪府沿岸域で多く漁獲される。

 

カタクチイワシ : 生態系はマイワシと同じで、水温の高い夏〜秋にかけて湾内を生息場としている。

その漁獲量も昭和50年頃を境に回復し、近年は養殖魚の餌としての需要がある。

 

コノシロ : 大阪湾内で繁殖し、一生を過ごす魚で、特に大阪湾東半分に多く、まき網により、年間3,000トン前後が漁獲されている。

 

マアナゴ : 沖縄近海で生まれた稚魚が黒潮に乗って大阪湾に入り、湾内の海底で1年またはそれ以上過ごした後、再び外海に出て行く。底びき網などにより年間数百トンが漁獲されている。

 

ボラ : 外海で生まれた稚魚は大阪湾内に入って河口や港湾域に集まり、成長とともに沿岸域全体に拡がる。湾内で2〜4年間過ごしたのち、紀伊水道より外海に出て成熟、産卵する。また、まき網や囲刺網によって、年間数百トンが漁獲される。

 

マサバ : 大阪湾には、5月頃外海で生まれたばかりの仔魚が入ってきて、その年のうちに20cm程度に成長する。またイワシ類などの餌を求めて大型の成魚も入ってくるが、冬にはほとんどが外海に出て行く。

まき網によって漁獲されるが、大阪湾での漁獲量は、外海での資源量に左右され年によって大きく変動する。

 

マアジ : 大阪湾に生息するほとんどは、その年に紀伊水道で生まれた若魚で、6〜10月にプランクトンや小魚を餌として成長し、冬は、外海に出て行く漁獲量は外海での資源量に依存しているため、不安定な状況で、おもにまき網、小型定置網によって漁獲されている。

 

 

 

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