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.9 船体振動を誘発する波浪

.10 バラスト漲排水記録書類

.11 天候悪化,ポンプ故障,停電等,洋上バラスト水交換に影響を及ぼす状況に対する緊急対応手順

.12 貨物積載容量の50%をバラスト水が占める船舶があることを考慮した,バラスト水交換に要する時間又はそのための適切なシーケンス

.13 バラスト水量の監視及び制御

 

2.2 貫流方式を採用する場合,以下の事項に注意すること。

.1 エアーパイプは,連続したバラスト水オーバーフロー用に設計されていないこと。

.2 最近の調査によれば,きれいな水をタンク底から漲水し,タンクトップからオーバーフローする貫流方式で効果を得るには,少なくとも当該タンク全容量の3倍の水量をポンプ漲水する必要があること。

.3 バラスト水交換時に開放する水密かつ耐風雨閉鎖設備(マンホール等)は,開放後確実に閉鎖すること。

 

2.3 氷結するような気象条件下においては,バラスト水交換を実施しないこと。

とはいえ,どうしても必要と考えられる場合は,船体暴露部の排出設備,エアーパイプ,バラストシステムバルブ類及びこれらの制御手段の氷結並びに甲板上への着氷による危険性に特別の注意を払い実施すること。

 

2.4 船舶によっては,洋上バラスト水交換によるせん断力及び曲げモーメント計算を実施し,許容限界値と比較するための積付計算機の設置が必要となる。

 

2.5 個々の船舶タイプ及び個々の積載状況について,承認済みのトリム及び復原性冊子並びにローディングマニュアルに規定の許容航海条件に記載されている,復原性及び強度に対する安全余裕を評価すること。

この件に関しては,以下の要件を考慮すること。

.1 維持すべき復原性は,常時,機関勧告(又は主官庁要求)値以上の値であること。

.2 縦応力値は,船級協会が一般の海洋条件を配慮して許可する値を超えないこと。

.3 タンク又は船倉のバラスト水交換時,タンク又は船倉が満杯状態でなくなることによりスロッシング現象が発生し,かなりの構造的負担となる場合,バラスト水交換は構造上の損害を最小化するのに好都合な海洋及びうねり条件下で実施すること。

 

2.6 バラスト水管理計画には,バラスト水交換を実施してはならない状況のリストを記載すること。

当該状況とは,極めてまれな自然現象による危機的状況,気象状況の圧迫による不可抗力,あるいは,人間の生命又は船舶の安全性に脅威となるあらゆる状況のことである。

 

 

 

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