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付録2

 

洋上バラスト水交換の安全性に係るガイダンス

 

1. 序論

 

1.1 本文書は,洋上バラスト水交換の安全性に係るガイダンスを提供するものである。

洋上バラスト水交換実施を要求されることになる船舶のタイプはさまざまなので,個々のタイプに対する具体的なガイドラインを提供することは,現在のところ不可能である。

船舶所有者は,所有船舶に適用するさまざまな要因を検討しなければならないことに注意を要する。

これらの要因の一例として,船舶のタイプ及び大きさ,バラストタンク状況及び関連ポンプシステム,航路及び関連気象条件,寄港国要件,配乗乗組員等があげられる。

 

1.2 個々の関連管理計画に含まれる洋上バラスト水交換手順は,環境保護はもちろん,各船舶の構造的強度及び復原力の観点から,その効果について,個々に査定されなくてはならない。

 

1.3 より科学的根拠のある制御手段がない現状では,水深の深い外洋又は開放性海洋におけるバラスト水交換が,バラスト水により,清水域又は沿岸域の水生種が移送される可能性を制限する1つの手段となっている。

バラスト水交換実施法として,次の2方法のそれぞれ又はそれらの併用が同一のものとして確認されている。

.1 バラストタンクからの排水の後,再びきれいな水で漲水する方法

.2 バラストタンクをきれいな水で同時漲排水する,貫流方法

 

2.安全性に対する警戒

 

2.1 洋上バラスト水交換を実施する船舶は,適宜以下の事項を考慮すること。

.1 バラストタンク内の過大及び過小圧力の回避

.2 常時,タンク内の自由水影響による復原性及びスロッシング負荷の緩和

.3 許容気象条件

.4 航行海域の季節的気象要因(サイクロン,台風,ハリケーン又は激しい氷結状況)

.5 承認されたトリム及び復原性冊子に準拠した適切な復原性の維持

.6 承認されたローディングマニュアルに準拠した,せん断力及び曲げモーメントの航海中の許容値

.7 ねじり力(影響がある場合)

.8 最小/最大船首尾喫水

 

 

 

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