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これらのことから、南流時に西水道を南航する場合には、小島から馬島にかけての水域では、潮流が陸岸への接近方向に働くため、操船者に負担を強いる状況が継続するものと考えることができ、特に、小島沖の変針点での他船の追越しは、地形による影響と併せて大きな負担となるものと考えられる。

また、小浦埼付近では、順潮の影響を強く受けて速力が増大するので、先行する同航船に対する接近状況に注意が必要になる。

 

2)生理的反応(大型船1回目のデータは欠測)

SNS値の標準偏差は大型船2回目12・12、3回目5・78であり、小型船は12・78である。

水域A(西水道の北側水域)では、大型船・小型船のSNS値は、前後に位置する同航船に対する注意と引き続く避航操船ならびに小島沖での変針に対応するものとされた。

水域B(小島の東側水域)では、大型船2回目は馬島に接近していく状況に起因すると思われるSNS値が認められる。2回目を踏まえて実施された大型船3回目では、変針時の回頭角速度に注意を払っている状況とSNS値が一致し、変針操船(回頭制御)に負担を感じているものと推測された。

水域C(小浦埼付近からウズ鼻)では、大型船2回目は左回頭を試みているが、順潮の影響により十分な回頭角速度が得られず、来島白石灯標方向への向首が継続した。ここでのSNS値は回頭制御によるものと推察される。大型船3回目では、大きく蛇行することはなく、屈曲に沿って変針している。ここでのSNS値はこの変針操船に対応しているものとされた。小型船についても、ウズ鼻付近での変針操船に起因すると思われるSNS値が認められる。

水域D(ウズ鼻の南側水域)では、大型船2回目のSNS値は来島白石灯標への接近状況と、南流の吹き出しによる右舷側への圧流によると思われる。大型船3回目および小型船のSNS値は、前方に位置する同航船に対する行動予測と変針操船によると思われる。

水域E(西水道の南側水域)では、大型船2回目・小型船ともに同航船に対する避航(追越し操船)に起因すると思われるSNS値の発生が認められる。

以上のことから、変針操船や他船への注意にSNS値現れることが確認できたが、ここでは、大型船3回目の操船者が、馬島付近における変針時において、回頭制御に負担を感じていることが明らかになった。この操船は、大型船2回目の操船結果を踏まえて実施されたものであり、南流時に西水道を南航する場合に回頭制御(=針路制御)に問題があることを示していると考えられる。

 

3)潮流影響

大型船1回目での斜航角は、全ての水域において低い値で推移している。特に、水域B(小島の東側水域)では変針局面であるにもかかわらず、約2°以下となっている。水域Aにて発生していた右舷方向の圧流が、右回頭に伴ってキャンセルされ、かつ順潮

 

 

 

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