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運動のタイムヒストリーからも補正操船が西水道航行時に比べ頻繁に行われている様子を知ることができる。従って、本比較の差は補正操船実施の差によるものと考えられる。そこで、補正操船による影響を取り除き、自然環境条件によって生ずる変針操船の負担の抽出を行った。抽出は行動記録、舵角のタイムヒストリーを用いて行った。

表IV-2-8に補正操船の影響を取り除いた場合の集計結果を示し、図IV-2-28にF-SNS値を示す。本集計結果からは中水道航行時、1分間当たりのF-SNS値は3.2である。これに対して西水道航行時の1分間当たりのF-SNS値は3.2となり、同等の負担の大きさであることがわかる。

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(2)小型船に関するSNS値の比較

小型船については解析データが右側通航時のみであるため、大型船の右側通航時の解析結果との比較を行うこととする。集計結果を表IV-2-9に示し、発生頻度を図IV-2-28に示す。図IV-2-29は中水道を北航時の比較結果および西水道を南航時の比較結果である。尚、F-SNS値の発生頻度の抽出においては大型船と同様に航路横断禁止区域を解析対象とし、航行船との干渉により発生するF-SNS値は含まれていない。

?右側通航、南流、中水道、北航、大型船と(シナリオ5-1)と右側通航、南流、中水道、北航、小型船(シナリオ5-2)の比較

本比較のシナリオは中水道を北航するケースで潮流の影響は逆潮流である。単位時間当たりのF-SNS値の発生頻度は大型船が10.0に対し小型船は7.9となり、大型船の負担が大きい結果となった。

 

?右側通航、南流、西水道、南航、大型船(シナリオ6-1)と右側通航、南流、西水道、南航、小型船(シナリオ6-2)の比較

本比較のシナリオは西水道を南航するケースで潮流の影響は順潮流である。単位時間当たりのF-SNS値の発生頻度は大型船が12.0に対し小型船は7.5となり、中水道と同様に大型船の負担が大きい結果となった。

 

 

 

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