2)小型船に関する解析結果
小型船の操船方法は船長自ら操舵輪を握り、かつ、常に舵操作を行っており、この点が大型船の操船法と異なる点である。従って、大型船のSNS値に比べ頻繁に変化することとなるが、行動記録等を用いて要因解析を行った。
i)シナリオ5-2
シナリオ5-2の状況設定の内容は以下に示す通りである。
通航方式:右側通航方式
通航航路:中水道
進行方向:北航
潮流:南流(逆潮)
SNS値、回頭角速度、舵及び主機操作に関するタイムヒストリーを図IV-2-24-(a)に示す。図IV-2-24-(b)は航跡図であり、図中の実線は計画航路を示す。図IV-2-24-(c)は5分毎の航行船と自船の航跡を示す交通図である。
?l分から9分
交通図より自船左舷前方の航行船7と航行船11の存在する。行動記録からも航行船の行動を予測している事がわかる。また、航跡図、舵角及び主機のタイムヒストリーより避航操船が行われていることから、この区間のSNS値の増加は避航操船に関わる負担によるものと考えられる。
?10分から14分
航跡図や舵角のタイムヒストリーより、変針操船(計画針路312°→計画針路003°)が行われていることがわかる。従って、変針操船に関わる負担によるもと考えられる。更に、10分前後は行動記録及び交通図より、航行船7の行動を予測している。従って、10分前後に関しては、避航操船及び変針操船に関わる負担によるものと考えられる。
?15分付近と17分付近
行動記録及び交通図により、航行船7の行動を予測している。従って、避航操船に関わる負担によるものと考えられる。
?20分から24分
航跡図や舵角のタイムヒストリーより、変針操船(計画針路003°→計画針路342°)が行われていることがわかる。従って、変針操船に関わる負担によるものと考えられる。
?26分前後
行動記録及び交通図により、航行船7の行動を予測している。従って、避航操船に関わる負担によるものと考えられる。
?27分30秒から31分30秒
航跡図や舵角のタイムヒストリーより、変針操船(計画針路342°→計画針路302°)が行われていることがわかる。従って、変針操船に関わる負担によるものであると考え