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?7分30秒付近

舵角のタイムヒストリーから左右同じ大きさで、かつ、同じ時間で操舵を行っている事から、変針のタイミングを誤ったと推定できる。従って、SNS値の増加の要因は変針操船によるものと考えられる。

?8分30秒から10分30秒

航跡図により変針点付近に達していること、舵角及び回頭角速度のタイムヒストリーより変針操船(計画針路312°→計画針路344°)が行われていることがわかる。交通図、行動記録から、航行船17、航行船23による知的負担が大きく影響じていると推定できる。従って、この間のSNS値の増加は変針操船および航行船17、航行船23の行動予測によるものと考えられる。

?12分から14分

?の区間と同様に変針操船(計画針路344°→計画針路018°)が行われている。従って、SNS値の増加の要因は変針操船によるものと考えられる。また、交通図から航行船23を追い越していることがわかる。従って、この間のSNS値の増加は変針操船および航行船23の追越し操船によるものと考えられる。

?15分付近

行動記録により、航行船31の行動を予測している。又、ここで操船者は汽笛信号を行っているが、右舷追い越しにしなければならないにもかかわらず、左舷追い越し信号を行っていることから、航行船31の行動が操船者に大きな負担を与えていることがわかる。従ってこの区間におけるSNS値の増加の要因は避航操船によるものと考えられる。

?16分30秒から20分のSNS値の増加

?、?の区間と同様に変針操船(計画針路018°→計画針路302°)が行われている。従って、変針前、変針後の舵操作などの変針操船に関わる知的負担によるSNS値のピーク変動が生ずると考えられる。

?21分から23分のSNS値の増加(推定部)

交通図、行動記録から航行船23の行動を予測していると考えられる。航行船23との距離は50mまで接近していることがわかる。従って、航行船23の行動予測に関わる知的負担によってSNS値のピーク変動が生ずると考えられる。

 

これまで述べた結果より、右側通航となることにより生ずる操船者の負担変化を考察する。

両状態共に逆潮流中を航行していることから回頭角速度制御が順流中に比べ容易となり、操船に対する余裕が増加することとなる。

西水道を航行する場合の操船結果と中水道を航行する場合の操船結果はそれぞれの航跡図及び運動のタイムヒストリーからもほぼ同等の結果が得られている。

航跡は、航行船との干渉場面及び干渉回数により多少異なってはいるものの、計画航路上を精度よく、航行していることがわかる。また、回頭角速度もほぼ零付近に保たれていることがわかる。

このことから、逆潮流中の航路間の負担度は同程度と考えられる。

 

 

 

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