行船11による知的負担が大きく影響していると推定できる。行動記録、舵角のタイムヒストリーから、コース指示と舵操作の併用により避航操船、追越し操船を行っていることがわかる。従って、この間のSNS値の増加は航行船7、航行船11の行動予測、及び避航操船、追越し操船によるものと考えられる。
?6分から11分
航跡図により変針点付近に達していること、舵角及び回頭角速度のタイムヒストリーより変針操船(計画針路335°→計画針路005°)が行われていることがわかる。交通図、行動記録から、航行船26、航行船27、航行船28による知的負担が大きく影響していると推定できる。従って、この間のSNS値の増加は変針操船および航行船26、航行船27、航行船28の行動予測によるものと考えられる。
?13分から20分
航跡図により変針点付近に達していること、舵角及び回頭角速度のタイムヒストリーより変針操船(計画針路005°→計画針路302°)が行われている付近である。従って、変針操船に関わる知的負担によるものと考えられる。14分前後に集中してSNS値の増加が著しいのは、頻繁に舵操作を行っていることから、計画航路線上を航行するための補正操船によるものと考えられる。
?22分から24分
この間の操船内容は、行動記録により最終計画航路上への補正操船である。補正操船はコース指示によって行われている。このことからSNS値の増加は補正操船によるものと考えられる。
v)シナリオ4-1
シナリオ4-1の状況設定の内容は以下に示す通りである。
通航方式:順中逆西通航方式
通航航路:西水道
進行方向:北航
潮流:南流(逆潮)
SNS値、回頭角速度、舵及び主機操作に関するタイムヒストリーを図IV-2-23-(a)に示す。図IV-2-23-(b)は航跡図であり、図中の実線は計画航路を示す。図IV-2-23-(c)は5分毎の航行船と自船の航跡を示す交通図である。
?上分から5分(一部推定)
この区間でのSNS値の増加は、行動記録により航行船21、航行船23に関する情報交換が行われていることから、航行船21、航行船23の行動推定によって生じたものと考えられる。約3分から5分の間はコース指示による避航操船が行われている。従って、航行船21、航行船23の運動予測と避航操船に関わる知的負担が影響していると推定される。