?12分前後
舵角のタイムヒストリー及び交通図より、航行船3の行動を予測していると推定される。従って、この区間のSNS値の増加は航行船との干渉によるものであると考えられる。
これまで述べた結果より、右側通航となることにより生ずる操船者の負担変化を考察する。
西水道は航路の屈曲角が大きく、かつ、変針点間の距離が短いために通過時の操船内容は変針操船が主体となる。中水道は西水道に比べ航路の屈曲角は小さく、変針点間の距離が長い。このことから、中水道通過時の操船内容は変針操船及び保針操船が行われることとなる。
また、両状態共に順潮流中を航行していることから操船の余裕が減少することとなる。
西水道を航行しているケースの操船内容は、本解析結果(図IV-2-20(2)-(a))からもわかるように、自然環境条件に対する変針操船のみであり、SNS値の増加は変針操船に現れ、特に回頭角速度が高い場面で顕著となることが示された。タイムヒストリーからもわかるように回頭角速度は常に誘起され、定針して航行している場面は見られない。さらに、航路横断禁止区域通過後の航跡は、計画航路から大きく偏位しており、計画航路上を航行することが困難であることが考えられる。
中水道での操船内容も、西水道と同様に自然環境条件に対する変針操船が主体となっているが、馬島正横付近では回頭角速度はほぼ零であり、定針した状態で航行していることがわかる。さらに、馬島通過後の航跡は計画航路上を正確に航行していることがわかる。
以上の点から順潮流中を南航する場合は、中水道に比べ西水道を航行時は操船者により負担を与える。
iv)シナリオ5-1-2
シナリオ5-1-2の状況設定の内容は以下に示す通りである。
通航方式:右側通航方式
通航航路:中水道
進行方向:北航
潮流:南流(逆潮)
SNS値、回頭角速度、舵及び主機操作に関するタイムヒストリーを図IV-2-22-(a)に示す。図IV-2-22-(b)は航跡図で示し、図IV-2-22-(c)は航行船と自船の航跡を示す交通図である。
?実験開始直後から2分前後間
交通図より実験開始直後、右舷前方約400mの航行船7および先左舷前方約450mの航