日本財団 図書館


iii)シナリオ3-1

シナリオ3-1の状況設定の内容は以下に示す通りである。

通航方式:順中逆西通航方式

通航航路:中水道

進行方向:南航

潮流:南流(順潮)

 

SNS値、回頭角速度、舵及び主機操作に関するタイムヒストリーを図IV-2-21-(a)に示す。図IV-2-21-(b)は航跡図であり、図IV-2-21-(c)は5分毎の航行船と自船の航跡を示す交通図である。それぞれの図に関する整理は先に示したシナリオ6-1と同様である。

データが存在しない部分については先に示したSNS値の増加傾向の発生要因から推定を行った。

 

?実験開始直後から1分の間(推定部)

航跡図、交通図により、航行船3、航行船4、航行船5の行動を予測しSNS値は上昇していると考えられる。実験開始直後、左舵を用いて航行船3、航行船5への接近に対する避航動作が行われていることがわかる。従って、この間は避航操船によるSNS値の増加が考えられる。

?3分から6分(一部推定)

航跡図により変針点に達していること、舵角及び回頭角速度のタイムヒストリーより変針(計画針路122°→計画針路183°)操船が行われている区間である。交通図及び行動記録より航行船3を追越し、航行船5の行動を予測していることがわかる。従って、本区間のSNS値の増加は変針操船によるSNS値の増加及び航行船の影響と考えられる。

?7分30秒前後付近

舵角及び回頭角速度のタイムヒストリーより、変針終了後の補正操船と考えられる。更に交通図より航行船3の行動を予測している付近と推定できる。従ってこの区間のSNS値の増加要因は変針操船及び航行船行動推定の2つの負担によるものと考えられる。

?8分前後、9分前後

行動記録、交通図により航行船3による干渉のためにSNS値の増加があると考えられる。さらに注意喚起信号を行っていることから、避航操船によるSNS値の増加であると考えられる。

?9分30秒から11分

航跡図により変針点付近に達していること、舵角及び回頭角速度のタイムヒストリーより変針(計画針路183°→計画針路159°)が行われている付近である。従って、変針前、変針中、変針後の舵操作などの変針操船によるSNS値の増加であると考えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION