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?7分50秒から9分10秒のSNS値の増加

航跡図より変針点に達していることから変針操船(計画航路192°→計画航路130°)が行われている。従って、変針操船に関わる知的負担によるもと考えられる。

?13分から14分30秒のSNS値の増加

13分付近および14分30秒付近に現れるSNS値のピークは交通図、行動記録より左舷前方の同航船(航行船26)の行動推定および避航操船によるものと考えられる。従ってこの区間におけるSNS値の増加は、航行船の行動推定、避航操船によるものと考えられる。

 

ii)シナリオ6-1-3

実験時の状況設定は先に示した6-1-2と同様である。解析結果を図IV-2-20(2)に示す。SNS値、回頭角速度、舵及び主機操作に関するタイムヒストリーを図IV-2-20(2)-(a)に示す。図IV-2-20(2)-(b)は航跡図であり、図IV-2-20(2)-(c)は5分毎の航行船と自船の航跡を示す交通図である。それぞれの図に関する整理は先に示したシナリオ6-1-2と同様であ

る。

 

?実験開始直後から30秒前後間のSNS値の増加

交通図より自船後方に航行船8が存在する。航跡図、舵角のタイムヒストリーより航行船8の前方を覆ぐことを避ける為の避航操船を行っていると考えられる。避航操船はコース指示を用いて実施されている。従ってこの区間におけるSNS値の増加は避航操船による知的負担と考えられる。

?2分30秒から4分30秒のSNS値の増加

航跡図により変針点に達していること、舵角及び回頭角速度のタイムヒストリーより変針操船(計画針路122°→計画針路192°)が行われていることがわかる。特に、4分に現れているSNS値の増加は右回頭の回頭角速度のピーク値の発生時点と一致していることから、操船者は変針時の回頭角速度の制御に大きな負担感じていることが推定できる。

?5分10秒、6分40秒付近のSNS値の増加

?と同様に変針操船(計画航路192°→計画航路161°)が行われている。従って、変針操船に関わる知的負担によるもと考えられる。

?7分30秒、8分20秒付近のSNS値の増加

?及び?と同様に変針操船(計画航路161°→計画航路130°)が行われている。8分20秒付近に現れるピークは交通図、行動記録より左舷前方の同航船(航行船26)の行動推定によるものと考えられる。従ってこの区間におけるSNS値の増加は、変針操船に関わる知的負担と航行船の行動推定によるものと考えられる。7分30秒手前、8分30秒後は行動記録から、コース指示による操船である。

 

 

 

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