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する各数値指標を用いて比較したものである。

実験のスタート地点ほどの実験ケースも同じであったが実験の終了時点はそれぞれ違うため、比較にあたっては、同じ航行距離において実験結果を比較することができるように、比較対象実験ケース間で最も航行距離が短かかった実験ケースに合わせて、比較対象データの整合性を図った。

データは航行距離10メートルごとにストレス値をサンプリングしているため、表中における負荷ランクの出現ポイント数は、ポイント数×10メートルの相当距離においてその負荷が課されることを意味している。また、%値は、航行距離全体に対する百分率を、そして、平均ストレス値は、各負荷ランクごとのストレス値の平均値を示している。

まず、操船環境ストレス(表の中段Landの欄参照)の値の変化に着目して順潮と逆潮の航法の違いを比較する。操船環境ストレスの値は、自船が地形的制約や潮流影響を受ける水域を航行する間に操船者に課される操船上の困難性を表現するものである。したがって、同じ船が同じ水道を順流で航行する場合と逆流で航行する場合の操船困難性の違いはこの数値指標の差異によって判断することができる。ただし、ここに示される数値は、各実験ケースごとにとられた自船の位置どり、コースどり、速力設定のもとで課された負荷を示している。

表IV-2-2にみられるように、操船環境に起因する負荷については、大型船が中水道を北航するときは“catastrophic”や“critical”のランクに属する負荷が課されることはない。しかし、順潮で航行する場合は、逆潮で航行する場合に比べてストレス値はやや高くなる。

中水道は航路が直線であるので、課される負荷は全体にストレス値で600前後と低いが、逆潮で航行するときはストレス値はそれより30ほど小さくなり、中水道の逆潮航行は航行困難性がやや和らぐ方向にあると言える。

一方、大型船が西水道を南航するときは、表IV-2-3にみられるように、逆潮で航行するときは“catastrophic”や“critical”のランクに属する負荷が課されることはなかったのに対し、順潮で航行するときは平均775程度の“critical”のランクに属する負荷が課されることがわかった。航路がS字型に屈曲している西水道では地形的な制約が大きいが、そのうえに、さらに、潮流に乗って航行することは、さほど大きくはないが許容限を越える程度に困難性が増すといえる。

表IV-2-4、表IV-2-5に示したように、小型船が中水道、西水道を航行するときの航行困難性の比較については、大型船の場合と同様の傾向がみられる。やはり、中水道を逆潮で航行するときはやや航行困難性は和らぐ方向にあるもののそれほど大きなものではない。ただし、西水道を順潮で航行するときは平均で750程度までストレス値の増大がみられる。これは“critical”のランクにぎりぎり属する負荷ではあるが、許容可と許容不可の限界に位置し、困難性の増加は大型船の場合よりは低い。

交通環境ストレス(表の下段Shipの欄参照)の値は、他船の存在や他船との見合い関係が自船の操船行動をどれだけ制約するかによって、そのとき操船者に課される操船上の困難性を表現するものである。交通環境ストレス値は、全体にどの実験ケースも十分低いものであった。しかし、一つのケースについては極めて高いストレス値が現れた。それは

 

 

 

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