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2.1.2考察

操船シミュレータ実験の全15ケースのうち、以下の実験ケースの組み合わせを抽出して、順中逆西の航法と右側航行の航法の違いが操船の困難性に及ぼす影響についてその差異を比較検討した。

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図IV-2-16は、中水道を従来通り順流で航行するときと逆流で航行するときとで、操船者に課される困難性にどのような差異があるかを、図IV-2-17は、西水道を従来通り逆流で航行するときと順流で航行するときとで、操船者に課される困難性にどのような差異があるかを、自船が大型船の場合について距離ベースで比較したものである。

また、図IV-2-18およびIV-2-19は、これらの差異を自船が小型船の場合について比較したものである。

操船環境ストレス値(ESL)と交通環境ストレス値(ESS)を総合化した環境ストレス値(ESA)の距離系列出力に着目すると、自船が大型船の場合には、ほとんどすべての実験ケースにおいて、“catastrophic”のランクに属する負荷が課されるような状態が現れた。これらは、水域が狭いうえに、さらに、他船との競合が同時に発生することに起因して生じたものである。

自船が小型船の場合は、“catastrophic”のランクに属するような負荷が課されることはなかったものの、狭い水道内での他船との競合の様子によっては許容できないような困難性を与える可能性がないとはいえない。

表IV-2-2〜IV-2-5は、順中逆西の航法と右側航行の航法における操船困難性の違いを、操船環境ストレス(ESL)、交通環境ストレス(ESS)、総合環境ストレス(ESA)に関

 

 

 

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