潜在的操船水域を基にした危険ポテンシャル評価値にその状況が表現されている。
実験ケース6-1=3(図IV-2-9)
・立ち会い人によるコメント:6-1と同様である。
実験ケース1-2(図IV-2-10)
・立ち会い人のコメント:【最狭部での保針に緊張感、同航船と距離を保った】
・9分で操船環境がピークを示し、交通環境ストレスは全体に小さいなど、立ち会い人のレイティングと合致している。
・最狭部での操船にやや危険のポテンシャルが高い状況が見られ、保針操船に緊張を与えた様子がみえる。
実験ケース2-2(図IV-2-11)
・立ち会い人のコメント:【先行する同航船と距離を保った、小島と挟まれ緊張感】
・交通環境ストレスは全体に小さく、10分ほどのところで操船環境ストレスがやや大きな山となり、立ち会い人のレイティングと合致している。
実験ケース3-2(図IV-2-12)
・立ち会い人のコメント:【困難感少ない】
実験ケース4-2(図IV-2-13)
・立ち会い人のコメント:特になし。
実験ケース5-2(図IV-2-14)
・立ち会い人のコメント:【針路保持に緊張感】
・最狭部での操船にやや危険のポテンシャルが高い状況が見られ、保針操船に緊張を与えた様子がみえる。
実験ケース6-2(図IV-2-15)
・立ち会い人のコメント:【馬島、白石への圧流に危険感】
・5分ほどのところに操船環境ストレスのピークがみられる。
以上に各実験ケースごとに立ち会い人によるレイティングと評価値出力との対応の検証を行ったが、結果として、
?立ち会い人が感じた困難感、危険感の傾向と評価値出力の傾向とは良い合致が見られ、ここに提案した評価値は操船者に課される困難性の程度や操船が内包する危険性の程度をうまく表現するものであることが確認された。
?立ち会い人によるレイティング結果をみただけでは、それがどのような原因に起因したものかはわからないが、環境ストレス値の困難度指標と潜在的操船水域の概念をもとにした危険度指標によれば、レイティング内容が操船環境に起因した負荷なのか、交通環境に起因した負荷なのか、さらには、操船内容に潜む危険によるものなのか、その因果関係を明らかにできることが判明した。
?潜在的操船水域を基にした危険度評価指標は、現段階では危険顕在化までの余裕時間を用いているが、今のところこの値が100秒を切ると操船上の危険を指摘するコメントが見られるようである。(実験ケース3-1、6-1=2、1-2など)