?ケース5.1=2(大型船・南流・中水道・北航:右側通航)
<初期条件>
開始位置:B、針路:308°、エンジンテレグラフ:Full(対水速力15ノット)
<操船の概況>
開始後、船首方向から左舷前方にいる2隻の同航船の右側に移行し、追い越しを開始する。
さらに先行する3隻の同航船の右舷側(馬島側)を目指して北航するも、最狭部でほぼ同時に追越す状況が予想されたため、エンジンをHalf Downし速力を減じた。(ほぼ前述の5.1と同様の操船状況であるが、操船計画からの偏位量は当ケースの方が少ない。また、Half Downしたタイミングは当ケースの方が後である。即ち、中水道南側の潮流に対して、当ケースの方がケース5.1に比較して、より船首方向から受ける姿勢を維持し、かつ、対地速力を有していたことになる。)
ケース5.1と同様に、馬島側へ接近する傾向は認められるが、その量は少ない。
先行する同航船が最狭部を航過したタイミングをみて、Full Aheadとし最狭部のほぼ中央に向首した。
馬島を航過したあたりから、左舷からの潮流の影響を受け始め、東側へ圧流された。
針路を西に転じる際に、針路<320°>で暫時航行し、左舷への圧流に対抗した。
<立会人からみた安全感覚>
○注意点はケース5.1と同様である。
(ただし、Hard Stb'dによる姿勢制御および圧流による反航船への接近は認められなかった。)
<操船者のコメント>
ケース5.1の操船結果を参考とした結果、中水道の入口付近で、先行する同航船に周り込むような操船をすることができ、結果として針路の振れを少なくすることができた。
西に転じてからは左舷への圧流が大きいので、順潮時に比べて、来島海峡第5号灯浮標により接近してから左転することが望ましい。
エンジンテレグラフを使用して、船間距離の調整を積極的に行うことが望ましい。