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5.4横偏位誤差の許容値(評価基準)と測位間隔の検討

(1)来島海峡における横偏位誤差許容値の推定

IMOでは位置誤差の許容値の基準として、船の速力が30ノット以下の場合の基準を次のように規定している。

 

232-1.gif

 

また、英国におけるアンケート調査によれば[2]、次のような測位精度を要求している。

 

232-2.gif

 

これから、来島海峡における測位誤差としては100m以下に押さえる必要があると思われる。また、狭水道を通過する場合の横偏位許容誤差は水道の幅にもよるが、来島海峡における横偏位許容誤差は100-300m以下にする必要があると思われる。

 

(2)許容値を満たすための測位間隔

移動中の船の位置誤差は、測位をしたときの位置誤差(ここではこれをシステム位置誤差と呼ぶ)と、位置を推測するために生じる推測位置誤差からなり、次の式で求められる。

 

232-3.gif

 

同様に、横偏位誤差もシステム誤差と推測誤差からなり、次の式で求められる。

 

232-4.gif

 

ここでシステム誤差は5-2,5-3節で示した横偏位検出限界値であり、推測誤差は潮流等により生ずる横偏位量である。IMOにより採用されている沿岸近くでの推測位置誤差は

推測位置誤差=T(単位は海里)(5)

 

 

 

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