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の通信の条件を満たす更新を行い得る容量を持っている。

 

(3) 方式別主要性能

VHF/DSC方式及び放送方式の主要性能は、概略別添資料1のとおりである。

 

4. IMOにおけるAISのための四つの提案

過去何年かにわたりトランスポンダーは、IMO航法委員会及びIALAにおける主要な討議項目で、次の四つのシステムが提示されている。

 

(1) VHF/DSC方式AIS

VHF/DSC方式によるAISは、最初にIALAが提案したものであるが、このシステムの性能基準案が英国から提出されており、同国沿岸には既に通報容量として20reports/minを扱うAISが設置されている。

 

(2) VHF/DSC方式改良型AIS

米国は、VHF/DSC方式AISの通報容量を、より高速(240reports/min)化した改良型AISに関する文書を、IMO航法安全小委員会(NAV42)に提出しているが、これには一つの指定無線チャンネルを必要とする。

このシステムの弱点としては、船舶相互間モードにおいても情報の通報は、先ず船舶から陸上へ送られ、次いで他の船舶へ返送する必要があることである。

 

(3) 放送方式AIS(通信容量2,250reports/min)

スウェーデン及びフィンランドは、SOTDMA方式、及び漸増時分割多元接続(Incremental Time Division Multiple Access:ITDMA)方式を利用した放送方式AISを提案している。

このシステムは、通報容量が2,250reports/minであり、一つの指定無線チャンネルを必要とする。船舶搭載設備と陸上施設は同一なものであり、船舶相互間モードで、陸上局を必要とせずに相互の情報を得ることができる。

 

(4) 放送方式AIS(通信容量1,800reports/min)

南アフリカは、時分割多元接続(Time Division Multiple Access:TDMA)方式を利用した放送方式AISを提案している。これは多くの点でスウェーデンの提案に類似しているが、通信容量が小さく1,800reports/minで、このシステムも一つの指定無線チャンネルを必要とする。

 

5. AISに関する国際動向

(1) IMOでの審議状況

IMOに提案されたAISについて、昨年12月に行われたMSC67までの審議においては、

?英国が提案したVTF CH70を利用したトランスポンダー性能基準に関するIMO総会決議案が作成されたが、VTF CH70は、GMDSSの体系下において遭難通信に用いられる周波

 

 

 

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