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参考資料5.1-3

障害物との離隔距離

(海上交通工学 藤井弥平、巻島勉、原 潔)

障害物との離隔距離

明石海峡で試作用やぐらとの離隔距離を航跡分布から求め、ほぼ300m、約2Lであると結論した2)。また、小型船が橋脚を避ける離隔距離が約1.5L1)、大型船が浮標を避ける距離が約1.3Lであることが報告されている3)。島や岬などではこの値がずっと大きくなる。これらの障害物の影響を調べるとき、それが船にまわり道をしいたり、あるいは航跡の分布幅を収縮させるなど文字どおり航行の障害となっているものについて観測する必要がある。

 

障害物、陸岸などとの離隔距離

隅田川のかちどき橋、永代橋などの橋脚と小型船の離隔距離(避航半径)の観測結果から1.5Lが1)、海中にたつ試掘やぐらの離隔距離として2Lが2)また浮標との離隔距離として1.3L〜1.7Lが得られている3)。この離隔距離は船の横方向の相対距離ひん度分布のピークとなる値で、閉塞領域のs(後方閉塞領域を半楕円で近似したときの横方向(短半径)の大きさ)に相当する。

1)藤井・水城、小型船に対する橋脚の閉塞領域について、航論41 p.23(1966)

2)山田他3名、危険物の離隔距離について、航論34 p.59(1965)

3)東京商船大学船舶運航技術研究会、浦賀水道船舶交通実態調査報告書(1967)

 

参考資料5.1-4

通航船舶の余裕距離

(浦賀水道船舶交通実態調査報告書S.42 東京商船大学船舶運航技術研究会)

浦賀水道航路の中央浮標(No.2〜No.4)に対する最接近距離については、大型船のみについて考察したが、南北航あわせて全域についてみると、約200〜250メートルの距離のものが最も多く、一般に北航船は南航船より各浮標に近く航行している。各浮標別にみると、北航の場合はNo.3灯浮標に対しては約160メートルぐらいできわめて接近して航行しているものがもっとも多く、南航船のNo.4灯浮標に対する接近距離約200メートルがこれに次ぐ。

※目視観測及びレーダ映像の検討から求めた平均の船の長さ

小型船 32.9m

中型船 66.5m

大型船 122.1m

 

 

 

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