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各社、各船単位で基本的な職務分掌、航海パターン区分に対応する船内配置と配置された乗組員の任務等は従来から取り決められており、その内容には必要な任務が網羅されている。

船長はじめ乗組員が自己の職務を再確認し確実に遂行するとともに、水先人を含めた船橋における運航当直体制の強化が事故再発防止に重要である。

b)船内連繋システム

船長および各乗組員それぞれの職務遂行の結果を有機的・効果的に結びつけその成果を高めることが重要であり、次の事項を各自が強く認識することにより総合的な成果が得られるものと考える。

○船長は、水先人はあくまでも補助者であって常に自己が操船して行くことの自覚を持つとともに水先人と充分なコミュニケーションをもつこと。

○情報は適切に報告するとともに全員が共有すること。

○見張りの継続的励行、航海計器等による周囲の状況の継続的監視を怠らないこと。

○輻輳する海域での避航、変針・主機の使用等状況に応じた対応等について、その優先順位を整理・理解しておくこと。

○周囲の状況の変化を予測し、それに必要な対応を想定しておくことが必要であるが、状況の変化・進展は単純でないことが多いことから、情報分析および想定する対応については十分に留意する必要がある。

以上の事項は各自の意識、努力に負うこととなるが、東京湾内のみならず入湾前も、輻輳する日本周辺海域での船長および乗組員の置かれている状況は厳しいものがあり、特段の努力が求められることとなる。

?乗組員の教育・訓練

(イ)各自の職務の再認識と徹底

(ロ)乗組員が混乗の場合の運航体制の再確認と乗組員の国籍の相違による習慣、考え方等相互理解の向上。

(ハ)東京湾内における航法指導等の内容の充分なる把握と遵守

(ニ)船舶管理者の外国人船員雇用に対する(乗船前)社内教育の充実と再確認。(乗組員技倆の把握と必要な教育体制)

?メンテナンスの問題

堪航性保持は船舶安全運航の大前提であり、正常なる航海機器の作動保持が安全なる操船の前提となる。

最近東京湾内、特に航路内でも主機の故障事故等が多くみられ、大きな災害をもたらす

 

 

 

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