(3) 進路警戒(船)体制
巨大船等の航路における航行に伴い生ずるおそれのある船舶交通の危険を防止するため、支援体制として進路警戒船等の配備が義務づけられている。
海上交通安全法においては次の内容の規定等があり、また行政指導として「航路出航後も安全な航行が確認されるまで、進路警戒船等を配備すること」とあり、浦賀水道航路・中ノ瀬航路を出航した後も安全な航行が確認されるまで配備することが指導されているが、その業務の徹底・強化と有効活用が望まれる。
1)海上交通安全法における規定等
海上交通安全法第23条(巨大船等に関する指示)において、海上保安庁長官は、巨大船等の航路における航行に伴い生ずるおそれがある船舶交通の危険を防止するため必要があると認められるときは、当該巨大船等の船長に対し、運輸省の定めるところにより、
?入港予定時刻の変更
?進路を警戒する船舶の配備
?その他当該巨大船等の運航に関し必要な事項
等を指示することができると規定している。(巨大船とは長さ200メートル以上の船舶をいう)
これらの事項は、同法施行規則(以下「規則」という)第15条第1項に示されており、進路警戒船等の配備にかかる指示事項は、
・長さ250メートル以上の巨大船又は危険物積載船である巨大船にあっては進路を警戒する船舶の配備(第6号)
・巨大船又は危険物積載船にあっては、航行を補助する船舶の配備(第7号)
・危険物積載船で総トン数5万トン(積載している危険物が液化ガスである場合にあっては、総トン数2万5千トン)以上のものにあっては、消防設備を備えている船舶の配備(第8号)
・長大物件えい航船等にあっては、側方を警戒する船舶の配備(第9号)
であり、規則15条第2項により、海上保安庁長官は、指示の内容に関する基準、進路警戒船等の指定に関する基準を定め告示している。
また、東京湾では、大型タンカーの安全対策として航路出航後においても消防能力を有する進路警戒船を配備するよう指導している。
*「進路を警戒する船舶、消防設備を備えている船舶又は側方を警戒する船舶の配備を指示する場合における指示の内容に関する基準を定める告示」(昭和51年海上保安庁告示29号)
*「進路を警戒する船舶、消防設備を備えている船舶及び側方を警戒する船舶の指定に関する告示」(昭和51年海上保安庁告示76号)