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例えば、DGPSやレーダ情報等の他の情報と結合することにより、船位確認、座礁警告等を行うことが可能になる。

1996年秋にIMO総会においてECDIS性能基準が採択され、これを各国で適用するためのECDISテスト基準が国際電気標準会議(IEC)で検討中である。

※巻末参考資料5.3-3「電子海図の現状と活用方法」参照

?自動識別システム(AIS:Automatic Identification System)

AISは、海上移動周波数帯(VHF 156-174MHz)を用いたトランスポンダで、航行船舶(相手船)の識別符号、船名、船体長、位置、進路および速力等の状況を自動的に把握するためのシステムで、現在IMOにおいて、方式、性能基準等々について検討が為されているところである。

衝突を予防する上の重要なポイントとして、自船の状況を十分把握した上で相手船の動静を把握・予測し、交通法規に照らし、適切な判断と行動(変針、機関の使用等)を導くことがある。

現在、相手船の操船意志の確認手段として、旗りゅう信号、汽笛、発光信号あるいはVHF電話等が使用されているが、誤表示・不表示、視界や夜間における信号の問題等、またVHF電話では言語の問題、使用チャンネルの輻輳等々の問題もあり、必ずしも船舶間相互の意志の疎通が十分とはいえない現状であるので、当システムの開発が期待されるところである。

※巻末参考資料5.3-4「自動識別システム(AIS)」参照

 

このように、未だ開発・検討中のシステムもあるが、船員の側としては、既設の航海支援システムをより効果的に活用することは勿論であるが、これらの新たに開発されたシステムあるいはその導入に関し、船舶航行の安全性向上の観点から積極的・前向きに取り組む姿勢が必要と考える。

 

 

 

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