3.5 操船面から見た航路の設計
以上述べてきた制限された海域における操縦性の変化を考慮すると、航路を狭水道などにおいて設計する場合の考慮すべき点が自ら明らかになる。
我が国において港湾を設計する場合には「港湾の施設の技術上の基準」(運輸省港湾局)に則って設計が行われる。この基準はその時代の研究成果を取り入れて書き換えられるが、いまだ船舶の操船上の特性を十分取り入れた基準と言えない。
一方において港湾、運航関係者の世界的組織であるPIANC(Permanent International Association of Navigation Congress)等では造船学、港湾工学の成果を取り入れた操船面に配慮した基準が作られている。