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ところで、今回の事故は壁が表面に出ている場所でなく水深が浅くなっている場所で起きている。このような場合は、今まで述べてきた型の壁(Wall Bank or Surface Piercing Bank)に比べて、横力への影響は少なくなる。

図3.3-8は、水深hの所を航行中の船が正横にh1の浅瀬をみる場合の横力(吸引力)を調べたもので、水面貫徹型の壁に比べ大略

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の割合で減少していくと言えそうである。

 

3.4 タンカー操船支援システムについて

 

(1) 操舵時の船首角速度指示計の必要性

図3.4-1は、SSPAで行われた190,000DWTタンカーの保針時の船首角速度指示器(Yaw Rate Indicator)の効果に関する実験結果に関する実験結果を示す。縦軸は保針時の船首偏位量、横軸は平均舵角使用量を示す。丸印とばつ印が結ばれた一組は、同じ操舵手が同じ船を同じ外乱状態で操舵したことを示している[4]。このうち丸印が指示器なし、ばつ印が装備した場合である。

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シミュレータの学習効果はあるにしてもひとつのケースを除いてYaw Rate指示器を装備した方が舵角量、船首偏向量とも少なくなっていることを示している。しかしながら、

 

 

 

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