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いま、図3.3-1のような両側が水路壁で囲まれた水路があったとする。このような場所を航行する船舶が両側の流体から受ける流体力は、水路中央を航行する場合は左右対称、どちらかに寄って航行する場合は左右非対称力が船体に働く[11]、[1]。とくに後者の場合に受ける左右非対称力は、浅水域の場合と同じ理由、すなわち狭い方の水路壁と船側の間の圧力の相対的な低下によって壁側からの吸引力(Bank Suction)を受ける。その程度は高速航行する程大きい(図3.3-2)。

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また、船型、船首波の存在、境界層の影響によって船尾の吸引力の方が、船首部より大きく、この結果船首が壁から離れるようなモーメントを受ける。

どの程度の吸引力とモーメントを受けるかについては、図表から簡単な計算によって算出できる。詳しくは参考文献1を参照されたい。また、前節で述べた一次元理論による方法を使って計算することも可能である。

さて、このように両岸が制約されている場合の他、岸壁に着桟したり構造物の付近を航過

 

 

 

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