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によって測られる(Fnhとも書く)。図3.2-2は、このFhの変化により船体周りの造波パターンがどのように変わるかを示す[11]。図からわかるとおり、Fhが十分小さい時2つの波が現れる。すなわち、船体とともに前進する横波(Transverse Wave)と後方に流れ去る発散波(Divergent Wave)とからなっている。そして、この波は船首から後方にα=19°28'の角度の中に収まる。

ところが、この角度αは浅水域にはいると大きくなる。そして、速度が

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になると、90度となり唯一の波が船体と同じ速度でついてくるようになる。この結果、船首は盛り上がり船体船首部を突き上げるようになり、全体として船尾トリムとなる。

このFhが1以下の速度はSub-Critical Speed、1の場合はCritical Speed、1以上の場合をSuper-Critical Speedという。

しかし、タンカーを含む一般商船の航海速力では図3.2-1において低速領域(Sub-Critical Speedに入るから、深水域で等喫水の場合、浅水域では常に船首トリムとなり、沈下量は船の長さの0.1%から0.2%であると言える。

4)Squatの推定式

Tuck-Taylorの推定式

このように十分低速な領域において、Tuckは理論式を求めた[12]。この理論推定式を簡略化すると、沈下量として、

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が得られる。これによるとタンカーのようにCBが大きくなると沈下量が大きくなり、また幅広船は沈下量が幅の狭い船に比べ大きいことをしてしている。

また、トリムについては

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