2. 電気器具の国際規格対応と安全性向上
三信船舶電具株式会社
設計部開発課
外川哲男
1. 目的及び背景
近年、船舶用の電気器具は、国際的整合と昨今のPL(製造物責任)の対策上から安全性の高い製品の早期開発が業界各方面から要望されている。
船用防水形プラグ及びレセプタクルは、従来JIS F8832及びJIS F8833の規格により定められたものが使用されていたが、本品は、我が国独自のもので国際的に互換性がなく、また安全性にも問題があることなどから現在規格が廃止されている。
一方、IEC/TC18(船用電気設備専門委員会)においてIEC Pub.309(工業用差込接続器)の採用の決定をみ、国際的整合性が図られることになっているが、我が国においては、IECPub.309に適合する製品がなく、依然として従来のものが使用されている。
このような現状から国際的整合性と安全性の優れた製品開発が各造船所から強く要望され大きな課題となっている。
このため、上記課題に対処するため、IEC Pub.309に基づく船用プラグ及びソケットアウトレット(レセプタクル)の開発を目指すため、規格及び海外製品の調査、国際的互換性及び安全性向上のための構造設計(模型製作による実験解析などを行い、国際的対応が可能な安全性及び耐久性に優れた製品の開発を実現するための基礎調査研究を実施した。
2. 実施内容
2.1 規格及び海外製品の調査
(1)規格の調査
国際的には、船舶用としてIEC Pub.309の規格が採用されているが、現在、2分冊となっており、定格、分類、表示、材料、電気的・機械的性能、構造、試験などの一般要求事項と接触ピン及び接触子付属物の寸法互換性について規定されている。
IEC Pub.309-1 Plugs,Socket-outlets and couplers for industrial
purposes Partl:General requirement
IEC Pub.309-2 Plugs,Socket-outlets and couplers for industrial
purposes Part2:Dimensional interchangeability
requirements for pin and contact-tube accessories
我が国では、国内規格としてIEC Pub.309に対応し、性能規格JIS F 8836及び製