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熱交換器は広範囲の用途に使用(事例は第1図に示す)出来るが、本論文では、熱回収装置及び再生装置が大規模に早期に導入できる用途に焦点を当てることにする。この様な用途には、自動車用及び小型発電機用小型ガスタービンが含まれる。インタークーラ及び排気熱交換器を含む舶用推進及び発電用大型機関についても討議することとする。

熱回収装置及び再生装置の様々な独特の特徴は種々の形状及び潜在的な用途にある。性能は、数種の別個サイクルの主要なパラメータを選択する見地から記述してある。今後20年以内に熱交換機関がガスタービン用途の主流となり、現在の様に特殊なニーズに対応する役割のために極めて少量生産されるというのではなくて、(特に100kw以下の機関では)大量に生産されるようになると思われる。例えば、ガスタービン機関や何らかの形式のエネルギー貯蔵を伴うハイブリッド自動車用途に供用される小型エンジンでは、予測されている所要の極めて低価格の熱交換器(例えば$150)に高温セラミックコンポジット材料を使用する必要が生じてくる。

 

背 景

過去40年以上にわたる熱回収装置技術の発展的開発の結果、多くの初期障害(特に構造的完全性)を克服し数種の構造が生まれた。今日では、機関の使用者は、プライムサーフェイスまたはプレートフィン型を選択できるが、いずれも高効率で圧力損失が低い。この様な装置は実用的用途では限定的に受け入れられているが、ハイコストゆえに単純サイクル機関が優位を占めている現在の低コスト化石燃料の時代には魅力的ではない。大量生産(即ち11,000台以上)された唯一の熱回収装置は戦車に使用する軍用のもであった「1(参考文献番号(以下省略)」。

回転熱再生装置の開発は、セラミックディスクがはじめて展示されて以来約30年継続し、今なお行われている。この開発は本来自動車用ガスタービンを主眼としており、その市場は常に不透明で10〜20年は遅れているようである。材料選択、シールリーク、製造コストを重点に今なお努力が払われている。

 

 

 

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