こうした分析では、入力データとして、船の伴流界に関する知識が必要である。伴流分布の算定では、これまでは実際の実験結果を引用するのがほとんどであった。しかし、今では船舶の周囲にある伴流界の算定方法もいくつか提示されている。その方法例として、参考資料[13]および[14]を参照されたい。フーリエ級数成分の振幅に関しては、上述の方法による算定結果を使用して、ブレード数に相当する次数が最大の決定要因であると述べることもできる。
舶用動力系における励振源としてのプロペラ
プロペラ・トルクが変動することは、駆動系においてねじり共振が励起されることを意味する。つまり、舶用駆動系の設計においては励振源としてプロペラを考慮しなければならないというわけである。上述の分析方法によるプロペラ・トルクの構造では、ブレード数に対応する倍振動成分がかなりの決定要因となる。駆動系が固有モードにあり、その振動数がプロペラのブレート振動数に近い場合、その駆動系ではかなりのトルク振幅が発生する見込みがある。図12に示すような一般的構造を有する舶用駆動系の場合は、上述の方法を使用して計算を行った。たわみ継手のトルクを図16に示す。