技術革新計画
英国を本拠とする過給機専門メーカーであるEuropean Gas Turbines(EGT)社では、高速および中速エンジン設計を大幅に改良する技術革新計画を進めている。最新型のNapier 297型機と357型機を開発した狙いは、出力範囲1.5MW〜3.5MW(297型機)と2.8MW〜5.5MW(357型機)のエンジンを使用する船舶所有者のコスト削減化を図るための性能向上設計にあった。
売れ行きの良いEGT社製Napier 295/355型機に基づき、新型機は、空冷式運転、処理能力向上と効率化、簡単設置、整備時期の間隔延長という各種要求を満たすように設計されている。297型機と357型機は効率が高いため、エンジンの排気ガスを清浄化し、IMO(国際海事機関)のNOx規制に適合しやすくする。
297型機の圧力比は5:1(旧式の295型機に比べ約25%高い)に達し、その総効率は70%を超えるという。また、旧型機に比べ部品数が20%削減化されている。
滑り軸受技術
EGT社では、滑り軸受技術における先駆的経験を297型機と397型機の開発に利用した。大型ジャーナルとスラスト軸受の採用は、耐荷重と「振動減衰」を増大し、ひいては過給機全体の安定度を高め、振動を削減化する。カートリッジ構造というEGT社のもう一つの先駆的技術も新型機に導入され、主要機能領域(ノズル・リングも含む)へのアクセスを容易にし、利便性を向上させている。EGT社のサービス交換制度は、使用済みカートリッジにも適用される。