■ あらゆるハウジング方位に自在に対応でき、分解を容易にするV形クランプ継手フランジ。
■ タービンを密閉する内部および外部破裂防護リング。
■ 底部に設置した油吸込口および油吐出口。
このシリーズ最初の機種であるTPS57型機は、TPLシリーズの過給機と同じような各種試験に合格後、昨年出荷された。この機種の全4サイズが出揃うのは、1997年上半期の予定である。
ABB Turbo社が検討中のその他の開発としては、過給機をどんな負荷条件のエンジン性能にも一層マッチさせる可変ノズル・リングの開発がある。その原型リングはすでにTPS型機に採用されているが、重油燃料エンジン向けの適性が十分実証されるようになるまでには長期の研究開発と現場試験が必要になる点は、設計者側も認めている。
競争力を強化する新部門
MAN B&W社アウグスブルグ支社の過給機製品部門は、このドイツ専門メーカーの市場競争力を強化してきたが、それには新型のアキシャル型機とラジアル型機の発売ならびにチェコ共和国のPBS Velka Bites社との合弁生産契約による側面援助があった。
MAN B&W社では、新シリーズのNA/S/T9アキシャル型過給機をすでに発売しており、現在はフレーム・サイズ別のNA34/S型、NA40/S型、NA48/S型、NA57/T9型、NA70/T9型の5機種を販売している。新サイズのNA29/S型機の設計も近く完了する予定である。このシリーズ全体で、過給機1基当たり3.5MW〜24.5MWのエンジン出力帯域をカバーしている。
ラジアル型NR/Sシリーズの発売も開始され、NR14/S型、NR17/S型、NR20/S型、NR24/S型、NR29/S型、NR34/S型の6機種もすでに発売済みか、近く発売の予定である。これらの機種は、過給機1基当たり580kW〜4.7MWの出力範囲のエンジン向けである。
MAN B&W Diesel社とチェコの過給機メーカーPBS velka Bites社の合弁会社であるPBS Turbo社は、今年の初頭から営業を開始している。ドイツ・グループは同社に34%の資本参加を行っている。
MAN B&W社では、同社製過給機の需要を満たすために、生産能力を提供してくれる強力な提携相手を探していた。この新設合弁会社では、MAN B&W社の過給機を製造、販売すると共に、PBS社設計の過給機を世界中で販売する。
新しいPTRシリーズは、旧型機の効率化と圧縮比向上(圧縮比4:1以上)を図るPBS Velka Bites社の改良計画に沿ったものである。そのPTR150型、180型、220型の3機種は、出力範囲350kW〜2MWのエンジンをターゲットにしている。