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境と凝結作用に対する耐性を強化するために慎重に開発されたものである。

その設計では、湿気がシステムの接地抵抗を低下させないような確実な装置を二重に組み込んである。

電気フィードスルー・アセンブリは、甲板側から貨物タンク壁を介してタンク内の低温ケーブルへ電源を供給するものだが、ガス漏れに対する気密性を検査する厳しい試験を受ける。こうした試験は静水圧試験、高電位試験、最後にヘリウムガスによる加圧/真空漏れ試験からなる。こうした電気フィードスルー・アセンブリは、適正に絶縁し、取り付けフランジで密閉した単線型母線からなる。タンク内と甲板側のケーブル接続部は、ボルト締めしたラグ端子である。こうした設計により、タンクのシール境界を通してガス漏れが発生する可能性はまずない。

LNG輸送船に装備される貨物用ポンプには750アンペアの全負荷電流を供給するので、電気システムは約3,000アンペアの電流を供給できるものでなければならない。したがって、これらのシステムとポンプは、船級協会の規格に適合するように確実かつ慎重に設計することが絶対に必要となる。タンク内の低温ケーブルは、ケーブル・トレイ上で定間隔に支持し、貨物の「スロッシング」による影響から防護する必要がある。ポンプの設置では、運転時の収縮差効果も見越しておく必要がある。設置に関する詳細については、図8と図9を参照されたい。

こうしたケーブル(図9参照)は、貨物の液化天然ガス中に浸漬して使用できるように特別に設計されたものである。最新型貨物船では、PTFE(または場合によってはポリエチレン)塗布した被覆絶縁たわみケーブルを採用している。さらに、敷設時はもとより貨物船の寿命期間(40年にわたる場合もある)中も機械的防護を行うために、編組みステンレス鋼線の外装を施しておく。そうした独創的な貨物船でも、金属(酸化マグネシウム)絶縁銅線ケーブルやステンレス鋼被覆ケーブルがその絶縁端子を通して湿気腐食を受けやすいという深刻な問題が生じていたが、そうした外装ケーブルのたわみ性と耐久性がそうした問題を解消した。そうした最新型ケーブルは、敷設しやすいという点もさることながら、対水親和性問題により被害を受けることもない。

タンク内の不活性化とガス注入前には、タンク内に設置された設備を清浄かつ乾燥状態に維持する必要がある。

 

船舶用LNGポンプの設計と構造

最新型の船舶用LNG液中モータポンプは、在来型のものに比べ著しく進歩している。汚れた液化天然ガス貨物中での運転にも対応でき、貨物の輸送温度変動(0℃〜-45℃)にも、含水化合物による腐食や水による汚染にも耐えるように設計されている。

その細部設計(図4参照)は、LNG貨物ポンプの細部設計に基づいたものである。つまり、基本

 

 

 

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