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型エンジンについても真剣に考えざるを得なくなる」というのが、トム・ワトソン次長の意見だ。

「重量/馬力比という問題が舶用エンジン市場を活性化させているが、自動車エンジンを利用すれば、排出量低減化と燃費の増大という利点が得られる」と、Caterpillar社のプレジャーボート用エンジン販売部長ゲーン・ワインランドは言う。「Peoria ?」系エンジンを製造している同社では、300〜3,000馬力のプレジャーボート用ディーゼル・エンジンも提供している。

ワインランド販売部長も、2サイクル船外エンジンがすぐにもディーゼル・エンジンに切り替わるとは思っていない。だが、新排出規制の下では「少なくとも人々はかってないほど真剣かつ積極的にディーゼル・エンジンについて考えざるを得なくなる。Caterpillar社でも他のメーカーでも、重量/馬力比の比較的低いエンジンを販売してきたが、それらに多くの買手が関心を寄せている」と言う。

ディーゼル・エンジンを新たに装備できるもっと代表的な船舶としては、船内ガソリン・エンジンが装備されている29〜35フィート台のボートがある。

Cummins Marine社のビル・ウォルパート南北アメリカ担当総支配人は、「29〜35フィート台のボートにはディーゼル・エンジン装備に適したものもあるが、目を下へ向ければ、もっと小型のボートにも装備できそうだ――多分、船尾駆動やジェット駆動エンジンが使用されよう」と言う。「サイズと性能の面でディーゼル・エンジンが競争力を高めるようになるのは明らかだ。それに、これまでガソリン・エンジンを装備してきたボートにディーゼルを売り込むチャンスも増えてくる」

サウスカロライナ州チャールスンに本拠を置くCummins Marine社では、最近、Bayliner Marine Corp.社との独占提携契約を発表した。この契約の下で、Cummins Marine社のDiamond Performanceシリーズのディーゼル・エンジンが、Bayliner社のモーター付きヨットに装備される。 Cummins社のDiamondシリーズは155〜450馬力のエンジンだが、2,800回転/分で370馬力の定格出力を持つ新型エンジン370Bも含まれる。

「370B型エンジンは、燃料系統と機械的部品のあらゆる点に改良を加えたもので、大成功を収める見込みがある。その前には、すでに315馬力と420馬力のエンジンも提供しているので、 370B型エンジンはその間隙を埋めることになる」と、ウォルパート総支配人は述べている。「航行距離に影響を及ぼすので、出力/重量比は依然重要だが、我々が時間とエネルギーを多く注ぎ込んでいる領域の一つは、快い乗り心地、滑らかな変速、さらに環境問題にもかかわる騒音、煙、臭いなどの問題などに対する末端ユーザーのニーズだ」

Caterpillar社では、400〜600馬力の新型エンジンもすでに発売している。1994年には、同社のエンジン部門がCat 3126型舶用ディーゼル・エンジンを発表した。これは、2,800回転/分で420馬力の定格出力を有する7.2リッターの6気筒列形機関である。この3126型エンジンは、350馬力の3116型エンジンと同じ大きさのエンジンルーム向けに設計されたものだ。

最近発売されたもう一つのCaterpillar社製エンジンは、2,300回転/分で450〜600馬力の定格出力を有し、10.3リッターの6気筒からなる3176B型電子制御式ディーゼルだ。電子制御式燃料系統によ

 

 

 

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