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Volvo Penta社との北米販売契約を通して、Detroit Diesel社では430馬力のVolvo社製電子制御式TAMD72EDC型エンジンの導入も開始する。「電子部品は低出力機に導入されるが、それは排出量削減化ニーズに押された結果だ。Detroit Diesel社製品と共にVolvo Penta社とMTU社の製品も販売するので、出力面でボート・メーカーに非常に幅広い選択範囲を提供することになる」と、コゼル副社長は指摘していた。

Volvo社のプレジャーボート用エンジンは770馬力が限度だが、Detroit Diesel社のプレジャーボート用エンジンは2,400馬力のものまである。Detroit Diesel社が販売するMTU社製エンジンは3,480馬力に及ぶ。

他方、新建造の小型船にディーゼル・エンジンを装備する傾向も高まってきた。Yammer Diesel America Corp.社)イリノイ州バッファロー・グローブ)のトム・ワトソン船舶マーケティング次長によると、スペースに限りがあるため、24〜30フィートのスポーツフィッシング・ボートでは、エンジンを船内に装備したものはほとんどないという。だが、Yammer社では最近230馬力の4LH-STE型エンジンを導入し、通常2サイクルエンジンを船外装備するボートにも関心を寄せている。

Yammer社では、エンジンの船内装備向けに特別設計された26フィートのセンター・コンソール型スポーツフィッシング・ボート「Pursuit 2600」に同社の新型エンジンを搭載する計画を進めている。このボートは、オプションとしてYammer社製4LH一STE型ディーゼル・エンジンを1基装備して販売される。Yammer社によると、「その性能試験では、このボートは3,100回転/分において時速31マイルの巡航速度を出し、3,450回転/分で時速34.5マイルの最高速度に達した」という。

4LH-STE型ディーゼル・エンジンは、ターボ過給・中間冷却式の4気筒エンジンで、3,300回転/分で230馬力の出力が出る。「低プロファイル・パッケージとコンパクト設計にすれば、狭い機関室にも十分装備でき、ガス機関からディーゼル機関への切り替えには理想的だ」と、トム・ワトソン次長は言う。Yammer社では、ヨットとモーターボート向けに出力9.1〜420馬力の各種ディーゼル・エンジンを提供している。

「ディーゼル・エンジンは付加価値を高める。初めてボートを購入する人々の間でも、購入費、運転・維持費、それにエンジンをグレードアップする時の再販価額といったボート所有にかかる総経費を計算する傾向が高まっている」と、トム・ワトソン次長は言う。「ディーゼル・エンジンは、巡航速度時の馬力がかなり上昇している。この出力を私は耐用馬力と呼んでいる。つまり、燃料をあまり消費せず、耐久性から見てもエンジンの消耗が少ないのだ」

エンジン・メーカー数社によると、「ボートの買手がディーゼル・エンジンの装備をますます真剣に考えるようになったのは、全般的に厳しい排出規制があるからだ。2サイクルの船外エンジンに対しては、2007年までにこうした規制が段階的に適用される予定」だという。

「排出規制に適合させるために新技術を導入したことで、2サイクルの船外エンジンの価格が上昇し始めると、24〜30フィートのボート購入者としても、これまで耐用年数があまり長くなかった在来

 

 

 

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