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すが、船舶市場ではWartsilaの名前の方が圧倒的に有名だ。

Wartsilaと社との共同開発とは別に、Cummins社ではすでに38リッターのV形12気筒(KTA38G3M型)機関4基をStena社H S Sの発電用に出荷している。HSSでは、重量は重要な要素とはならないので、チタン板型熱交換器が使用され、機関のベースフレームとStamford社製MHC634K型交流発電機はアルミニウム製である。さらに、Westmarin West社建造のキャタマラン「スタークルーズ」に再装備するために、KTA38型機関2基もノルウェーに出荷されている。

出力810kW(1,100bhp)のツインバンク機関は、全長26.6mの150人乗り客船を28ノットで推進する。同社では、50リッターのV形16気筒機関にも改良を加えている。KTA50M-2型機は現在、連続定格出力が1,600回転/分で1,045kW(1,400bhp)、1,800回転/分で1,194kW(1,600bhp)である。出力187kW(250bhp)までの間欠使用向けにフロントPTOクラッチと3薄型プーリーを装備している。また、定格出力41kWと1lkWの油圧ポンプ2基も装備されている。だが、ポンプ2基を使用すると、各ポンプ能力は35%ほど低下する。これまで受注したこの種の機関は、平底船やタグボートの主機に使用されている。

 

新型機関の発売

MTU社とDetroit Diesel社の共同開発契約が実を結び、SMMショーにおいて2000、4000シリーズの新型機関が発表された。2000シリーズは、排気量が1気筒当たり2リッターで、出力200〜1,343kW(227〜1,826bhp)の6V、8V、12V、16V型機が発売される。4000シリーズは、排気量が1気筒当たり4リッターで、8気筒、12気筒、16気筒のV形機が発売される。その出力は665〜2,720kW(900〜3,700bhp)にわたる。

両シリーズの機関はDetroit Diesel社と共同開発されたもので、2000シリーズはメルセデス・ベンツ社の最新型トラック・エンジンを改良したものだ。電子制御の燃料噴射装置は、この種の機関のフレキンビリティを高め、発電機をTA一Luft排出規制に適合させる働きをする。オプションとしてMTU社の順次ターボ過給システムを使用でき、補助機器はすべて密閉型歯車列で駆動される。2000シリーズの定格回転数は、低使用率の場合に2,300回転/分、高使用率の運転時に1,900回転/分となっている。テスト生産の12気筒機と16気筒機はすでに出荷され、1997年9月からは本格的生産に入る予定だ。

大型の4000シリーズは、クランクケースに大きな開口部を設けてあるので、エンジンを取りはずさずにラニングギアの保守作業を簡単に行える。このシリーズは電子制御の共同噴射方式(common rail fuel system)を採用しているので、MTU社によると「燃費が優れている」という。また、実際の運転時間に基づき必要な保守時期を早期に知らせる電子装置も組み込まれている。そのため、無用な保守作業を行わずにすみ、「運転停止期間をかなり短縮化できる上、保守費も低減化できる」とMTU社では言っている。使用率の低い用途向け機関は2,100回転/分で運転され、高使用率の運転は1,700回転/分で行われる。

両シリーズの機関は、PTO先端に用途別サービス・ブロックが取りつけられている。このサービ

 

 

 

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