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合致するとGEは言っている。水蒸気は空気よりも勝れた冷却剤であり、GEのガスタービン発火温度を2350°Fから2600°Fへ高めることができた。これにより、特定の仕事をすでに目覚ましい数値であった0.26から、さらに空前の0.33MW.秒(流入空気1ポンド当たり)へ向上させられる。正味の装置温度効率は60%を超える。

最新式の陸上装置からの超高出力の効果の一例として、船舶用の9.3MW(1機関当たり)が9.3/0.33または28ポンド/秒の空気によって供給される。船舶用の動力としてWR21 ICRは毎秒86ポンドの流入空気を必要とする。

疑問:「最先端化したサイクルはどれほどの仕事を行なうと期待できるか?」そうしたサイクルは、十分に改良されたガスタービンの性能向上技術の1つとしてGEが開発した「動力タービンの関ループ冷却」を活用することになろう。

 

代替え冷却剤を使った閉ループ冷却

この論文で提案する十分に改良されたガスタービン・サイクルはGEの開発の変形を活用するであろう。すなわち、動力タービンは関ループで冷却される。冷却剤は必ずしも水蒸気である必要はない。冷却剤としてガスタービン排気とは別に作動する熱回収装置からの流出物が使える。固定した動力装置用としては、そうした流出物はリフォームされた水蒸気とメタンの混合物となるであろう。船舶推進用としては、そうした流出物は蒸留液と水蒸気の過熱混合物となるであろう。HRSGフィードは蒸留液と水蒸気のエマルジョンとなるであろう。船上サイクルは触媒式部分酸化装置(その上を過熱状態の水蒸気と炭化水素の混合物が通過する)を持つことになろう。ある量の空気を追加することにより、化学反応による部分酸化が水素に富んだ燃料ガス(再熱燃焼室と一次燃焼室との両方へ供給される)を生じるであろう。この燃料はすでに述べた再熱燃焼室の作動を可能にするであろう。

要約すれば、動力タービンは閉ループで冷却可能であり、蒸留液をサイクルの燃料とすれば再熱燃焼室が効率的に働く。

 

6.化学的復熱装置

ガスタービンの排気熱の復熱は通常は水蒸気温度上昇によって達成される。知覚できる潜在的な熱は管内の逆流水によって取り出すことができる。生じる水蒸気はさらにガスタービンの排気温度にごく近い温度まで加熱される(過熱状態)。もし管内の流れが水と炭化水素燃料との混合である場合は、「水蒸気蒸留」と呼ぶ処理が取られる。もし炭化水素が天然ガスである場合(発電所の場合のように)は、過熱された混合物はニッケル触媒の助けを借りて化学的に反応(すなわち、蒸気リフォーム)して水素に富んだ、高燃焼性の燃料ガスを生じる。洋上船舶用のガスタービンの場合は、標準燃料は蒸留された石油成分であり、容易にリフォームできない。しかしながら、過熱された水蒸気と蒸発気の流出物は、適当な触媒の存在下で少量の空気と反応でき、部分的な酸化によって同様な水素に富んだ燃料ガスを生じる。

 

 

 

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