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り返して述べてきた。より一層大きい動力を必要とする場合は、別のガスタービンがそれをもたらすであろう。1993年には、挑戦に臆せず、利益を確信しているAsea Brown Boveriが3年間の秘密な開発の後でGT24とGT26ガスタービンを再熱器付きで販売することを公表した。

 

新たなアプローチとしての再熱燃焼室

動力タービンへ流入する主ガス流の温度を高めることで、多くの開発上の問題点が明らかになってきた。ただ1社を除いた全てのメーカーの判定で、費用が利益を上回るという。機械的な障害を避けて実行可能な再熱燃焼室へ至ることができるのは化学的な方途であるように見える。この概念には水素に富んだ燃料が使用される。

1992年8月には、Southern California Edisonがマサチューセッツ州、AndoverのPhysical Sciences lnc. と低Btuの水素に富んだ燃料を使用するガスタービン用の再熱燃焼処理の可能性研究の実施契約をした。この研究で燃料が自然に自動発火し、保炎器を必要とせず、発火と燃焼との合計時間が10ミリ秒未満であり、そしてNOxが余分に発生されないことが判明した。理想に近い燃料/空気の混合が達成されねばならないという条件を考慮にいれて、以下の物理的な燃焼過程が想像される:水素に富んだ燃料を主空気流路内へ導くためには、フリー動力タービンに先立つタービン最終段でブレード・ベーン・冷却チャンネルが使用されるであろう。通常、ブレードやベーンの後縁が冷却空気を完全に均一な方法とするように慎重に設計された細かい穴を通して主空気路内へ噴射する。噴射遅延時間と物理的混合時間とは相違している。燃料の流れはまた、タービン最終段で、通常はコンプレッサ・ブリード・エアによって行なわれるような冷却作動もする。

再熱燃焼は動力タービン入口ガス流(inviserated空気プラス燃焼生成物)の温度をどれほど高められるか?現在、動力タービン入口温度は約1500°Fである。この温度では、冷却は要求されないばかりでなく、高価でない合金を使用できる。したがって、上級な資材(すなわち、超合金、特殊鋳造や被覆)のみを使用すれば動力タービン人口温度を数百度(華氏)高めることも許容されるであろう。これは「準再熱」と呼ぶことができる。他方、もし無制限冷却媒体を準備することができるならば、酸素の枯渇とともに再熱発火温度の究極な物理的上限に達するであろう。ガス経路温度の上昇を許し、従って、コンプレッサ。ブリード・エアを使わずに燃焼限界(すなわち、酸素の枯渇)のゴールに近付けるように動力タービンの冷却を行なうに必要な冷却剤流を生じる方法が存在する。

 

5.動力タービンの閉ループ冷却

経済的な再熱燃焼室の追求とともに、高温部の冷却剤用にコンプレッサ・ブリード・エアとの置換可能性の探索が数十年にわたり続けられてきた。

1995年に、GE社はブレードやベーンに最も進歩した合金、鋳造、被覆を使用し、また水蒸気で冷却される動力タービンの開発の主要な進展を発表した。加えて、動力タービン内部の高温部を冷却した後の水蒸気は回収され、追加の過熱とともにLP蒸気タービンへ送られてGEが「熱力学的シームレス組合せサイクル」と呼ぶものを形成する。回転子蒸気吐出システムは極めて厳しい漏れ限界に

 

 

 

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