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原動機としての進歩した航空機エンジン

前世紀の後半に、航空機エンジン性能の目覚ましい進展が達成された。それらの進展は設計重量制約やフライト要求により賦課される信頼性への厳しい要求にもかかわらず達成された。動力や効率の増進は、吸入空気を圧縮する空力的損失の低減とともに、タービン入口の圧力、温度、ガス流の容赦のない増大の結果である。今日の高い発火温度は複雑なタービンブレード冷却方法と特殊な鋳造、被覆による特殊合金の使用とによって、ガス温度を金属の融点近くまで高めることで達成された。厳密なデューティサイクルや最新式のハイテクへの全面的な依存にもかかわらず、数百万時間の作動時間数(全て液体燃料によって)を費やして進歩した航空機エンジンの長期の耐久性、信頼性、有効性、整備性が確立された。エンジンは想像できる代替デューティへも適しているとみなすことができる。進歩した航空機エンジンは(適切な改造を施して)洋上船舶の駆動に必要なシャフト動力を供給できる。この論文では次の問題を取扱う:将来の舶用ガスタービンは、その性能が固定設備用に向上されることによってどのような全面的利益が得られるのか? 洋上船舶用に計画される最先端ガスタービンはインタークーラーと復熱器(ICR)が追加されて、航空機エンジン・モジュール:ウェスティングハウス…ロールスロイス(WR21)ICRで組立られる。代替えの航空機派生の復熱器付きガスタービンはゼネラルエレクトリックLM2500Rである。3番目の航空機派生ガスタービン・サイクル(最先端化されるサイクル)がこの論文の主題である。(サイクル構成については図1を参照。)

 

航空機派生の船舶用ガスタービン

進歩した航空機エンジンの多軸設計は、すでに航空機産業以外で普通に使用されているエンジニアリング技術やプロセスへ役立っている。サイクルへ統合されるとき、これらの技術は伝達された抽出力や、基本的に進歩した航空機エンジンから派生するものを使用している全サイクル内で達成される温度効率を、かなりに増大させる。

ガスタービンの船舶への適用は名目陸上設備に関わるユニークな要求事項を有している。重要な疑問は次の事項である:舶用ガスタービンの特別なニーズに合致するには、既知かつ証明されたタービン性能向上をどれほどまで、ガスタービンで駆動される洋上船舶内へ有利に組み込むことができるか?。

 

陸上用と海上用の抽出力要求の比較

陸上設備と船舶推進設備とに共通する本質的な要求事項は、両者とも単一な最大動力源を失った後に抽出力への需要に応じることを継続せねばならないことである。問題は急速回転の保留にある。船上ユニットは部分負荷作動の数と必要なバックアップ能力及び過大レベルとによる制限を受ける。しかし、陸上設備では、需要に応じられるガスタービン・オプションの全てのアレイ(めったに運転されない低費用かつ低効率なユニットから、基本負荷に合致して連続運転される最も費用は掛かるが効率の高いユニットまで)が存在する。舶用機関では、出力と温度効率の固定したただ1種類、1サイズのガスタービンで全範囲(フルスピードから投錨停泊まで)の動力要求に応じられるよう、賢明な

 

 

 

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