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は現在、潜水艦艇推進装置や、その他のターボ機械を設計するための、また移動機雷標的化を支援するためのコンピュータソフトウエアを開発中である。氏は大直径の改良型試験ビークル(LDATV)、Mk48 ADCAP魚雷、その他のビークル用の推進装置の設計・生産を支援してきた。

 

論 評

Jhoh G.Stricker(Marine Propulsors Co.Inc.社長)

この論文に記述された概念は、進歩したポンプ技術での最も期待される分野の一つに非常に良く当てはまる。今日のビークル用途への重要な要求事項を扱う上で、統合電気モータ/ポンプは従来の設計では不可能であった大きな利益をもたらす。そうした長所をリストアップしてみると:

1.信頼性。シャフトのシールや従来型ベアリングを不要にすることで、実用上では2ないし10もしくはそれ以上の要素についての整備作業の軽減、故障発生の低減を保証する。

2.安全性。シールからの漏れは多くの用途において安全性の主たる争点となり、そして化学工業や原子力工業の分野では密封ポンプ技術の使用によって解決されている。水中艦艇へ応用すれば、安全性にかなりの利益の実現が見込まれる。

3.重量と体積。実質上いかなる用途においても大きな利益が実現するはずである。舶用装置において、多くの場合ポンプの基礎構造を除去できる。

4.静かさ。統合軸界磁モータ/遠心ポンプの概念は低回転、高トルクの設計へ理想的に当てはまる。流れ騒音とキャビテーション発生との両者が軸流や遠心ポンプのシャフト速度へ直接的に関係する。

5.コスト。公差の厳しい部品数を大幅削減したり、磨耗しやすい物体表面の数を最小限にとどめることで、取得コストや維持コストを著しく縮小できる。

取捨選択考量(tradeoff)の研究で直径10インチ、厚み1インチの回転子を有する15馬力、1,780rpmモータが考慮された。これらの数字と両立できるポンプ特性は:

 011-1.gif

この設計においては、通常は図1bに示された二重吸引方式よりはむしろ単一吸引構造が選択される。単一吸引ジオメトリでは軸方向負荷は不均衡であるので、この小さな流量と特定速度においては分離入口の使用は不必要である。パラレル・エンド・ウオール回転子はテーパー回転子ジオメトリを設けることによって、流れのエリアの半径がほぼ一定であり続けるように改良されるであろう。これは回転子に非伝導性の充填材を使用することにより(一定な幅の磁石/ベーンの使用を可能にする)、または円錐形の固定子とテーパー形回転子とを使用することにより達成されるであろう。

 

 

 

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