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RP14Cの開発においてとられた具体的な方法の概要は以下の通りである。

 

1. 個々の装置(処理装置構成要素)に対してFMEAが展開された。このFMEAの実施において、処理装置故障の潜在的原因となり得る不調の可能性の各タイプが見直された。すなわち、制御装置の故障、漏洩又は処理装置の不調に繋がる他の出来事が分析された。

2. 確認された原因又は状態が広がる前に処理装置の不調を探知し、停止するセンサを備える。例えば、仮に圧力制御器が故障し、圧力が増加すれば、高圧力センサが処理装置の停止のために備えられる。仮にガスの漏洩と圧力の低下があれば、低圧力センサが処理装置の停止のために備えられる。

3. FMEA手法は、付加の防御としてセンサとは独立したバックアップを提供するために適用された。バックアップ装置の信頼性は問題の厳しさに依存している。例えば、過大圧は重大な危険に導くこととなる状態であるから、バックアップ装置は極めて信頼性の高いものであるべきである。一般的には、高圧センサはリリーフ弁によってバックアップされる。この場合、 リリーフ弁は高圧センサよりも現実に信頼性が高いが、リリーフ弁であるがための欠点を持っている。一方、油の漏洩は過大圧ほど重大ではない。この場合、油汚染防止のためのドリップバンが適切なバックアップかもしれない。

4. 2段階の防護が適切であると考えられている。FMEA分析を生産設備に適用させた経験は、多くの場合、ただ1つのレベルの防護は停止システムの信頼性を要求し、故障という結果を伴うことを示している。しかしながら、ただ1つのレベルの防護を特定の設備のために要求することを文書付けることは、 2段階の防護を備え、維持することよりも、設計時間の面で金がかかる。それ故、 2段階の防護は一般的に明示されている。

5. 構成要素を処理システムに統合し、いくらかの構成要素の防護装置が他の構成要素を冗長的に防護するかどうかを決めるためにFMEA手法を適用する。例えば、仮に直列に2つのセパレーターがあり、それら両方が同じ圧力に対して設計されているならば、一方のセパレーターを過大圧から防護する装置は、他方をも防護するであろう。それ故、2セットの高圧センサは必要ないかもしれない。

 

API/RP14Cのこの方法の適用には、各構成要素に対する安全分析表(SAT:Safety Analysis Table)を含んでいる。圧力容器用のSAT例を表-2に示す。残念ながら、RP14Cの最新版は、SATの最後の2欄(以前の版では必修の第1及び第2の防護を示していた。)を削除した。表-3は、検討を必要とする装置の開発のためにRP14Cの初期の開発に使われた文書である。

RP14Cはまた、処理装置構成要素が全体システムの一部と考えられる時のある装置の削除を認める標準理由も規定している。表-4は圧力容器のための安全分析チェックリスト(SAC:Safety Analysis Checklist)を示す。SACによって確認される各安全装置が表にされている。安全装置を備え付けなければならないか、又は、表にされた

 

 

 

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