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(National Electric Code)やその他の同様の基準を引用している。

 

停止安全システムの設計と操作の標準化に対する米国のアプローチ

API/RP14Cは、停止安全システムの設計のための要件を規定している。API/RP14Cの内にあるロジックは、全ての生産施設が施設個々の固有の設計に係わらず、同じ方法で機能する同じ基礎処理装置構成部分を含んでいることにある。この原則が与えられ、この文書の指針は、10個の処理装置構成要素(表-1)の各々において探知される基本の処理装置故障の分析を通して、探知できた危険を制御し又は軽減するための標準手段を定義し、システムの相互作用がこれらの手段に如何にして影響を与えることができるかを決め、また、監査役が容易に見直すことができる分析結果の文書作りのための標準フォーマットを記述して作成された。ある施設の停止安全システムを評価する者は、この包括的な資料を利用して、評価対象の施設に対して特別の修正を加えることができ、また、測定可能な処理装置の不調(流量、液位、圧力及び温度)を探知し、自動的に対応するために十分なセンサと停止安全システムを事前に装備することを決めることができる。このようなアプローチは、オペレーターが設計の分析に費やす時間量を軽減し、個々のプラットフォーム全てに係わる安全システムの設計哲学を標準化する。また、このアプローチによって、個々のオペレーターは、同じ簡明な方法で分析結果の文書作成することを確保し、事前に決められた理由によって構成要素や安全装置を削除することができることから、主観的な意思決定(decision-making)を減じる。これらの文書パッケージは、オペレーターの間で一致して活用されており、その分析結果は組織の内外での効率の良い監査に対する矛盾のない許可となっている。

RP14Cに含まれるシステムを開発するために、先ず10個の処理装置構成要素の各々に対して包括的な方法でFMEA(Failure Mode and Effect Analysis)が行われた。望ましくない処理状態の原因となり得る入出力の最悪の状態が仮定された。このタイプの分析にとって、その状態の原因となる最初の故障は重要ではない。フローライン、セパレーター、ヒーター、圧縮機等は、施設固有の設計には大して重要ではなく、同じ方法で機能するため、ある意味で固有の施設設計とは独立した設備に影響を与える故障モードに従っている。それ故、FMEA分析が単独で設置されている設備の項目について行われるならば、そのFMEAは、処理装置の如何なる形状においてもその構成要素については有効であろう。

全ての処理装置構成要素が最悪ケース、単独設置状態において別々にいったん分析されれば、それらの構成要素を1つのシステムに結合して発生する安全リスクを付加することはない。すなわち、全ての処理装置構成要素がFMEA分析を基礎にして十分に防護されるならば、その内のいくらかの構成要素によって組み立てられたシステムも十分に防護されるであろう。システムの形状を、1つの処理装置構成要素に複数の装置を備え付けた防護装置が他の構成要素をも保護することができるようなものとすることが可能でさえある。すなわち、全ての構成要素が1つのシステムに統合されてしまえば、単独設置の構成要素を適切に防護するために要求される装置は、冗長性があると見なされるかもしれない。

 

 

 

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