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c)付帯ボート操作の領域では、リスク・レベルとリスク軽減の最良手段が、たくさんの意見と事例が殆どないことを基に論議された。QRAは、付帯ボートとTLPの衝突のリスクを軽減する最も費用効果のある手段を決定するために実施された。このQRAは、約1000作業時間のかかった外部コンサルタント、設計チーム技術者及びプロジェクト・コンサルタントの作業を伴った重要な作業であった。この研究の結果として、リスク軽減のための11の潜在的行動をもたらした。上部にランクされた10の行動が勧告され、実施幹部によって承認された。費用対効果の高い全ての勧告と殆どの潜在的行動は、ヒューマン・エラーを軽減することに関係した。付帯ボート操作におけるヒューマン・エラーは一般に、機械上の/気象上の問題よりも結果として事故になりやすい一種の重大な問題であった。ヒューマン・エラー・フェイラー率は、付帯ボート艇長からの情報入力を基にプロジェクト人的要素技術者によって修正されたヒューマン・エラー評価・減少技術(HEART:Human Error Assessment and Reduction Technique)データを基礎にした。

d)Marsの坑井設計は、TLPから海底までの掘削ライザー及び生産ライザーの降下が必要である。プロジェクトの早期に、オペレーションのために同時に実施されたオペレーション研究が、これらどちらかのライザーの落下が大災害になる可能性があることを示した。万一、1000フィート程度のライザーが落下した場合には、そのライザーは約500フィートの落下後、100-200フィート毎に塑性座屈を形成するであろう。これらの塑性座屈は、近接のライザーやテンドンを欠損させるのに必要な力の2倍の大きさの力でもって外側に移動するであろう。最高の費用対効果のある軽減策を決定するために、QRAは、ライザーの降下作業に関して、操業本部、掘削リグ・コントラクター、HFEコンサルタントとエンジニアリングのチームによって実施された。チームは、新しく開発された降下方法とそのオペレーションのために要求された新しい設備を再検討した。Augerライザー降下作業からの情報入手は、失敗を決定するのに大変価値があった。Mars/QRAにおける論議はまた、Augerライザー降下設備とMarsライザー降下設備及び方法に、いくらかの設計変更をもたらした。その作業は約800作業時間を要し、実施された約20の勧告をもたらした。リスクの主要原因は重ねて、ヒューマン・エラーであった。HEART技術は、掘削要因からの情報を基に人的要素技術者によって修正され、利用された。

 

Marsリスク管理計画の結果

Marsリスク管理計画の結果がMarsプロジェクトの目標毎に以下に述べられている。

1. 目標「施設をヒューマン・エラーの原因となる状態を取り除くようにすること」に応えて、次の点が実行された。

1)労働者が作業又はメンテナンスに対して相互作用するプラットフォーム上でのあらゆる要素を明確にする包括的な分類プログラム

2)設備、制御盤及び制御台が、作動が混乱を招かないで容易であるように設計され、配置された

3)弁及び設備のメンテナンスのために近づきやすい通路が設けられた

 

 

 

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