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向斜めブレースの一つに大きな破損が生じると想定される。同様の損傷条件が3本足ヤグラ及びブレース付ケーソンについても設定される。この損傷は、格子点損傷に十分つながるし、ブレースの耐軸荷重性能を大幅に損なうことが想定される。ワイヤー支持ケーソンの損傷状態条件は、ケーソン上の支持ワイヤー結合部の1つが破損する状態だと設定できる。

完備及び損傷状態での耐横荷重性能の推定を図9に示す。

ワイヤー支持ケーソン及びブレース付ケーソンでは、上記の損傷条件で最も大きな性能低下が生じている。4本足プラットホーム及び、3本足ヤグラは比較的頑丈である。

[バラツキ]

タイプI及び?のバラツキは、式(15)で表される。ハリケーン最大横荷重に関して評価された。結果はTable.1に示す。タイプIの力で、0.77〜0.89である。タイプIと?の組合せでは、0.89〜1.0となる。2つのメディアンの偏りは

1)ケースA=1.0

2)ケースB=0.3〜0.5(構造物によって変化)

これらの偏りは、波の運動計算に使用した理論によるものである。前者はストークスの5次式(1.0)であり、後者はWheelerの展開式による。

バラツキの特徴は検討された。第一はケースAであり、タイプIと?のバラツキを含みメディアンの偏りは1.0。第二はケースBであり、タイプIだけのバラツキを含みメディアンの偏りは0.3〜0.5である。

性能のバラツキは構造物の特性、性能を決定する損傷モード及び、推定方法による。性能におけるタイプI及び?のバラツキの評価結果はTable.2に示す。性能解析では全てのパラメータは最良の推定値で行っており、メディアンの偏りは示していない。耐横荷重性能でのタイプI、?のバラツキの組合せは、0.32〜0.43となった。

[損傷確率]

ハリケーンによる荷重及び、構造物の耐荷重性能の大きさとバラツキの評価が決まれば、波によるデッキ荷重が無い場合のPf1Iが式(4)で決められる。デッキ荷重によるPf1Iは概説した方法で決定され、無い場合のPf1Iに加える。ケースA及びBのバラツキは図10に示す。

両者のバラツキの傾向は同一である。予想通り、3本足ヤグラとブレース付ケーソンのPfは4本足プラットホームよりやや大きい。意外であったのは、ワイヤー支持ケーソンである。4つの中で最もPfが小さい。これは図9でも判る様に、耐横荷重性能が大きいことによる。損傷時Pfについては後で評価する。

 

〈耐久性〉

[疲労寿命のメディアン]

4つの構造物の重要部材の疲労寿命のメディアンは前述した手法で決定した。結果を図11に示す。ワイヤー支持ケーソンのパッド部の45年から、3本足ヤグラ

 

 

 

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