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世代の高率のエラーについては推定に入れなかった。

本検討の重要な部分の一つは構造物の頑健性の評価についてである。頑健性はヒューマンエラーによって引き起こされる損傷や欠陥に対する構造物の許容度として定義される。その程度は実質的な性能の損失なしに損傷や欠陥をどこまで支えられるかということである。構造物の頑健性は3つの要素の組合せとして表現できる。

1)冗長性(不静定性の程度)

2)延性(延性変形及び荷重再配分の性能)

3)強度余裕(低応力部材が、再配分荷重を受け持つ)

 

損傷や欠陥を支える構造物の能力は、PfiE I ndcに反映される。経験及びデータに基づき、設計、建造及び運用時に発生する高い確率のヒューマンエラーは各々構造物に対して定義される。これらの損傷や欠陥の状況はUNOCAL社や業界の4つの構造物に関する経験に反映される。

構造物の荷重及び性能は、規定された欠陥&損傷に対して評価される。

 

〈コスト〉

検知/修正、非検知/非修正時の状態に対応した各ライフサイクル段階で、ヒューマンエラーの有無のPfiの評価がなされたら、次に各状態に対応するコスト評価がなされなければならない。

損傷に関連した各状態の品質特性を向上するためのコスト(Cfi)は、メキシコ湾の4つの構造物及び同様の構造物での経験に基づきUNOCAL社によって推定された。

4つの構造物各々に対して、エラーの検知及び修正に関するコスト(Cri)と最初の設計及び建造のコスト(Cc)もUNOCAL社の経験に基づき推定された。

嵐の過荷重による構造物の損傷に関連するコストは、 2つの異なるケースで評価された。

1)構造物は取り替え、貯油は継続

2)構造物は取り替えないが、貯油は放棄

コストには失われた生産物、資産の損傷及びサルベージ費用が含まれる。

 

〈リスク及び総コスト〉

リスクコスト(R)は損傷によるコスト(Cfi)と、発生した損傷の確率(Pfi)の集積として定義される。構造物自体に起因するリスクコストは、

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人間に起因するリスクコストは、

 

 

 

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