上記のように、破断試験は、最小破断荷重(MBL)と等しいか又はそれを超えるかであった。上記の全試験において、破断はスプライスされた部分で始まった。これによって、均一に分布したスプライスの重要性を強調している。
上記の機械的性能試験に加え、個々のロープコンポーネントとファイバーの分析が実施された。一般的にロープ外側の摩耗は無視してよい。しかし、スプライスされた継ぎ目の外で、網目状のジャケットにいくつか摩耗が見られた。このことは取り扱いの観点から見ると、保護について改善することが課題であるべきだ。内部摩耗の徴候はいずれのロープにおいても表われなかった。
ダイニーマロープに関して、各継ぎ目の内側にあるファイバーは、末端のスプールと接触エリアの方に向かって平らにつぶされているということが確認されていた。これはポリエステルロープには確認されなかったが、スプールとロープの直径がより大きいので、接触するエリアは更に広範囲に及んでいた。どこでも自由な長さと継ぎ目部分から取り出された各ストランド部分の破断試験は、良好な一貫性を示した。しかし、ダイニーマロープの平らにつぶされた継ぎ目部分からのストランドは、より強度があることを示した。
DNVの研究所で実施された機械的性能試験とロープコンポーネントの分析では、ポリエステルロープとダイニーマロープが両方とも劣化せずに実地試験を維持したことを示した。
5.2 実地測定データ
試験ロープ2本をモニターするためのデータ取得システムは、Deepsea Bergenに搭載されたChart Roomに設置され、全試験期間36日間にわたって作動した。
機器を取り付けられたロープセグメントは図6に示す。
以下のパラメータがモニターされた。
・張力(kN)
・スプライス部分を含む、全9mのテストセグメントの伸び(mm)
・スプライス部分を除く、テストセグメント中央部の伸び(mm)
―ダイニーマロープの中央部:2.67m