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(3)ROVはポンプが取り付けられた状態で潜水し、サクションアンカー上にもポンプと同じようにドッキングする。

(4)アンカーに上から圧力をかけ、リフティングワイヤを引っ張る。

(5)リフティングワイヤを一度ゆるめてから、ファイバーロープとペナントワイヤ(設置時にアンカーの方向づけに使用していた)でアンカーを水面まで引っ張る。

(6)繰り出しフレーム上でトロリーを使用して、デッキの架台内にアンカーを引き入れる。

(7)ペナントワイヤとファイバーロープを引き入れる。回収が完了した。

 

サクションアンカー内部に上から圧力をかける時、アンカー上部の空気/水のベントを通してかなりの漏れが見られた。その漏れは、ROVを使用しながらトルクを余分にかけることで減少した。最初のアンカーは、1.3barの圧力(19psi)、約40Tの垂直方向への引張りを適用することでリリースされた。追加したリフティングワイヤは、直接の船尾ローラー上に引き上げる2番目のアンカーに取り付けられた。(繰り出しフレームの引張り限界を避けるため。)2番目のアンカーは0.5bar(7psi)の圧力、約140の垂直方向への引張りを適用することでリリースされた。

準備段階での空気/水の抜け目の漏れは、シール面の不適当な設計によるものだった。

サクションアンカー回収に費やした時間は、アンカー1台につき±20時間に達した。この時間には空気/水のベントの漏れの結果、ROVを使用してトルクを余分にかける作業が含まれている。

回収段階に向けての艤装から艤装を解くまで、全4日間で、設置段階(12日間)と比較するとかなりの改善と考えられる。

 

4.5 実地試験の作業概要

 

・主な目的の1つとして、サクションアンカーとファイバーロープを標準AHTS船から設置、回収できることは十分に立証された。

・ダイニーマ:ポリエチレンロープは、必要なハードウエア(シャックル、リンク、スプール、ドラム等)のサイズと重量に再検討を及ぼすほど軽量で、しかも直径が小さいため、ポリエステルロープよりも扱いが容易であるということが立証された。

・設置から回収段階で、装置取り扱いと作業の効率に関してはかなりの改善が行われた。しかし、更なる改善の余地がある。

・設置段階では、分離連結スキッドを持ち、重量のある大容量のポンプユニットを使用し、回収段階ではポンプユニットが取り付けられた軽量のROVを使用した。そのような変更は積極的にためされた。しかし、容量と方法についての改善は、サクションアンカーの設置と深海利用のためには、望ましいであろう。

・たとえ使用されたROVがうまく作業を行ったとしても、ROVの作業にはかなりの時間が費やされた。ROV作業の依存の少なさと合理性の良さは、効率をよりよくするために寄与するであろう。

・サクションアンカー上部の空気/水のベントからの漏れは、回収段階において深刻な

 

 

 

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