エステルロープ)の特性と動作の試験。
(3)緊張レグ係留装置に対して、Saga Petroleumが最初に関心を持ったのは、深海での探査ドリリングが始まりだったとはいえ、密集した海底(パイプライン、テンプレート、マニホルド等)におけるフィールド開発とドリリングの適用上、緊張レグ係留という概念にも可能性があることがすぐに明らかになってきた。そのため上記の目的を満たす上で、実地試験は多くの応用性と利益の可能性を見い出したのであろう。
(6. 緊張係レグ留装置利用上の利益と可能性 参照)
4. 実地試験の実施
4.1 計画と準備
96年4月上旬、ダイニーマ:ポリエチレンロープを使用している1本のアンカー索について実地試験を積極的に実施し、装置の組立てを始めるという決定が下された。Deepsea Bergenの到着は、96年6月中旬に計画されていた。以前に述べたように、Deepsea Bergenの到着が96年7月下旬まで遅れ、ポリエステルロープの試験にも大変興味深いものがあるため、2つのアンカー索を含む実地試験の延期が96年5月下旬に決定した。これによって、装置の組立てや実地試験の準備に対するスケジュールが、びっしりと組み込まれることとなった。
サクションアンカーの設計は、実際の場所の土壌データに基づき、Norwegian Geotechnical Institute(NGI)とStructural/Engineeringが協力して実施した。土壌の状態は、7m又はそれ以上の深度で密集した砂層上に重なり、軟質で、普通に固まった粘土層という特徴があった。サクションアンカーは許容範囲500Tとして設計された。寸法と重量は図上に表す。
サクションアンカーは、ノルウェー西海岸のBerdgenエリアの地方作業場である、Radoy Mekaniske Verkstedにより製作された。船のデッキ上のすべりを調節するために、各サクションアンカーの架台を製作した。サクションアンカー上部の空気/水の必要なベントに関して、船尾で部分的に浸水する場所に装備されていたり、海底に下がっていたりと、いくつか不明確な点があった。結果として、各サクショシアンカーの上部に30インチベントバルブを3つ設置した。後に改善されるが、上記の問題が解決されても、さらに多くの問題を引き起こしてしまった。(4.4 サクションアンカーとファイバーロープの回収 参照)
Structural Engineeringは、標準AHTS船からサクションアンカーの設置を可能にする特別な繰り出しフレームを設計した。図2を参照せよ。繰り出しフレームは、簡単で安全なサクションアンカーの設置と回収を容易にするために、設計した。船の主要な曳航ウインチ上にある一定の張力装置に加え、±2mの動きを調節する補正装置は、繰り出しフレームの上部に装備した。
補正装置の主な目的は、船の動きと繰り出しフレーム自体の限界ピーク荷重により、サクションアンカーが、初期設置時に海底から離れるのを避けるためである。繰り出しフレームは、サクションアンカーと同じ作業場で製作した。