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な設置方法を開発せざるを得なかった。Structural Engineering(小規模の工学技術会社)とSaga Petroleum間の協力で特別な繰り出しフレームを設計し、(AHTS)船を使用しての標準のアンカーハンドリングからサクションアンカーを設置する方法が開発された。

サクションアンカーの設置が適当であるかを確認し、緊張レグ状態でファイバーロープの動作を評価するためには、大規模な実地試験が不可欠である。1996年夏、Saga Petroleumのために北海のTordis Fieldにおいて、セミ・サブマーシブルドリリングユニットであるDeepsea Bergenで油井を掘ることになった。係留装置は10ラインが限度だが、今回Deepsea Bergenはそのうち8ラインだけで係留された。水深がたったの200mだったとはいえ、この試みは実地試験に向けて良い機会であった。残り2ラインの巻き上げ機は実地試験時に利用する。特別な巻き上げ機/アンカー2ラインの係留に関する試験では、依存、影響、危険も特になく、従来の装置(鎖/ワイヤー/シーアンカー)8ラインにより係留されたDeepsea Bergenは、予定されたドリリングの動作を行うことができた。

ファイバーロープの供給元と連絡をとると、Saga PetroleumはOffshore&Trawl Supplyを取り扱うThe American Group/Samson Division(地方代理店)、DSM High Performance Fibers(ファイバーの供給元)から、ダイニーマ:ポリエチレンロープ(HMPE)を無料で提供された。最初のうちは限られた資金でダイニーマロープを使い、たった1本の係留索に基づいた実地試験を行う予定だった。だが、Deepsea Bergenの到着が遅れ、2種類のファイバーロープの試験が大変興味深かったため、実地試験での補助的な係留索としてポリエステルロープを購入することにした。緊張レグ係留するという目的において、ポリエステルは産業界で最も注目されていたロープの素材である。このようにして2種類のファイバーロープの動作を同じ条件下で比較する機会に恵まれた。ポリエステルロープも同じくThe American Group/Samson Divisionが供給した。

 

本文書は以下のような構成になっている。

・実地試験の目的

・実地試験の実施

・ファイバーロープから取得したデータ

・緊張レグ係留装置利用上の利益と可能性

・結論

 

3. 実地試験の目的

 

緊張レグ係留装置について、Saga Petroleumが行う実地試験の主な目的は2つある。

(1)標準AHTS船から切り離した、サクションアンカーとファイバーロープの設置と回収の確認。

(2)今後、緊張レグ係留でのサクションアンカーに使用できるのかを確認するために、異なる性質の2種類のファイバーロープ(ダイニーマ:ポリエチレンロープとポリ

 

 

 

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