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1)タグ、浚渫船、巡視艇、調査船等の特殊船

2)内陸水路および沿岸航路用の小形艇

3)小型客船またはプレジャー・ボート

4)漁船

タイの海上貨物量が一貫して増大するとともに、領海を出入する船腹量も増加する。この成長により国内修繕船工事の需要が拡大し、またより大型の造船所が必要とされるようになった。現在、タイには8,000DWTまでの船舶を建造可能な船台1基を備えた造船所があり、また140,000DWTまでの船舶の修理が可能な浮ドックが1基あるが、1994年には最大のもので5,000DWTまでの船舶を修理できる乾ドックが3基あるに過ぎなかった。

 

? 関連工業

 

造船業はグローバルな産業の好例である。それは海運の後を追って発展する。新造船を受注できるのは最も好条件のオファーを出した造船所のみである。しかし今日のタイでは造船業のために資機材を製造できるのは少数のメーカーに限られている。したがって新造船や修繕船のコストは、資機材のコストを考慮すると、近隣諸国より割高になる。

過去において、船舶解撤は好採算の産業だった。しかし最近では老朽船の船価が上昇しくず鉄価格が下落したために、採算が悪化した。現在この業界では6工場のうち4工場までが閉鎖されている。

 

? 資機材の調達

 

造船とは、それぞれのサプライアーから調達した膨大な数の構成要素を組み立てる作業である。これらの構成要素は、鋼材、塗料、機械類、電気機器等、その種類もまた多様をきわめている上に、その等級や品質も、仕様の差異に応じてさまざまである。タイの造船事業者は、資機材の調達を過度に輸入に頼っている。その輸入比率は材料については60〜80%、機器については80〜100%に及んでいる。調達に時日がかかり、しかも遅れることがあり、さらに複雑な通関手続きを要することなどから、この状況はタイの造船所に多大な困難をもたらしている。

 

? 技術開発の趨勢

 

技術は競争力の大きな要素であり、造船所にとってきわめて重要である。タイ国内の造船所の設備や機器は現在では陳腐化している。数社を除けば、自動溶接、自動切断な

 

 

 

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